新型リーフの進化のポイントはいろいろあるが、最大の特長は航続距離702kmを達成したバッテリーマネジメントじゃなかろうか。ルートが上りか下りか、充電ポイントが近いかといった状況に応じて、もう涙ぐましいほどの苦労をしているのだ!! その中身を紹介!
文:ベストカーWeb編集部/写真:小林岳夫、日産自動車
【画像ギャラリー】エネルギーについては超ケチケチ派の新型リーフをもう一度見て!(10枚)画像ギャラリーナビと連動してバッテリーの温度管理を行う
リチウムイオンバッテリーは温度に敏感だ。酷暑や極寒はもちろん苦手だし、急激な充電や放電を行えばバッテリー自体が発熱してしまう。こうなると電池は本来の性能を発揮できないので、EVではできるだけ電池温度を一定(25℃程度)に安定させることが求められる。
そこで新型リーフは、実にきめ細かいバッテリー管理を行っている。中でもスゴイのが、Nissan Connectインフォテインメントシステムとの連動した「ナビリンクバッテリーコンディショニング」だ。
Nissan Connectインフォテインメントシステムとは、グーグルと連携して自然な会話でエアコンやナビの設定が行える機能だが、新型リーフにはEV専用の画面があり、バッテリー残量や充電スポットの空き状況などをリアルタイムで検知してくれる。
道の上り下りや充電タイミングまで考慮する
それだけじゃない。カーナビで目的地設定を行うと、目的地までの渋滞や上り下りを加味したバッテリー消費を予測し、途中の充電(1度で済まないときは複数回)までを考慮したルートを提案してくれる。しかもすごいのは、ルートでのバッテリー負荷を先読みしてバッテリーの冷却や昇温を行い、エネルギーの消費効率を最適化してくれるのだ。
たとえばドライブルートの途中に上り坂があると判断したときは、バッテリーの発熱を見越して予め冷却を行う。充電スポットが近づいたときにもバッテリー温度を調整し、充電開始時からSoC(電池の充電状況)が最大化できるようマネジメントしてくれるのだ。
このあたりの予測・判断については、量産EVを世界で初めて販売した日産の経験値が生きている。すでにデビューから15年を経たリーフは世界累計で70万台が販売され、約280億kmを走破した。それらのクルマから得たプローブ情報をフル活用しているというわけだ。
この他にもリーフは、バッテリーやモーターの熱を回収し、車内空調にも役立てている。エネルギーはわずかでも無駄にしないという徹底したこだわりの表れだ。リーフの驚異的な航続距離702kmはこうして達成されているといえよう。












コメント
コメントの使い方初代の電池劣化のせいで国内でEVの印象を悪くしたのは公然の事実なので、賛美する内容だけでなく「初代の電池が劣化するイメージはもう古い」「日産自身が電池劣化に対するイメージを払拭する必要がある」といった表現を入れたかったですね。