いまや軽自動車の人気装備といえばスライドドア。スズキにもスペーシアという強力なモデルがあるが、ハスラーは頑としてヒンジドアを守り続けている。でも、それこそがハスラーらしさなのかもしれない。全高を抑え、SUVらしい最低地上高を確保し、走りにも磨きをかける。便利さだけでは測れない“遊べる軽”の魅力を考えてみよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ノーマルのワンポイントがたまらん!! 新型ハスラーの見た目だけじゃない進化を写真で(5枚)画像ギャラリースペーシアより105mm低い! ハスラーは「広さ一辺倒」じゃない
子育て世代の使い勝手だけを考えれば、スライドドアは実に便利だ。
狭い駐車場でも隣のクルマを気にせず開閉しやすく、小さな子どもを抱えて乗り降りする場面でも重宝する。しかもスペーシアは全高1785mmのスーパーハイトワゴン。広い室内とスライドドアを組み合わせ、まさに家族のための万能軽といえる。
対するハスラーは後席も普通のヒンジドアで、全高は1680mm。スペーシアより105mm低い。
そのかわり、最低地上高は180mmを確保する。スペーシアの150mmより30mm高く、ここには同じスズキの軽でも狙いがまったく違うことが表れている。
ハスラーが優先したのは、室内を上へ上へと広げることではなく、街中からアウトドアまで軽快に走れるクロスオーバーらしさなのだ。
実際、スクエアなボディのおかげで室内は十分に広く、後席は左右独立してスライド可能。荷室側から後席を動かせるなど、遊び道具を積むための工夫もしっかり盛り込まれている。
つまり「スライドドアがないから不便な軽」ではなく、便利さの方向がスペーシアとは違うのである。
2026年型は「曲がる」性能まで磨いた!
そして2026年5月の商品改良では、ハスラーらしい走りのキャラクターがさらに強化された。
ステアリング特性を見直し、交差点を曲がった後にハンドルがより自然に戻るよう改善。高速道路でのステアリング応答性も高められた。
さらに、コーナリング時の車両挙動を予測し、内側へ巻き込みすぎたり外側へ膨らんだりする動きを抑えるアクティブコーナリングサポートも採用している。
4WD車ならスノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールも用意。雪道や滑りやすい路面、急な下り坂など、スペーシアとは違う「遊び場」を想定した装備が揃う。
もちろん、小さな子どもがいて乗り降りの回数が多い家庭ならスペーシアのスライドドアは強力だ。室内高や後席の使いやすさを最優先するなら、素直にスペーシアを選ぶほうがいい。
だが子育てだけが軽自動車の用途ではない。
通勤にも使う。休日には山や海へ出かける。荷物を積んでキャンプへ行く。そして移動そのものもちょっと楽しみたい。
そんな人にとって、ハスラーのヒンジドアは弱点というより、このクルマがスペーシアにならないための大切な個性なのかもしれない。
何でもできるスペーシアと、何かをして遊びたくなるハスラー。同じスズキの軽だからこそ、この違いが面白いのである。
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