本格クロカンのランクルに電動化は本当に必要なのか? しかも泥や岩が待ち受ける悪路となれば、長年鍛えられてきたディーゼルのほうが頼もしく思えてしまう。そこで普段からディーゼルに乗る目線で、ランドクルーザー300のハイブリッドを過酷なコースへ持ち込んで徹底チェック! 走らせた先で待っていたのは、予想を大きく覆す体験だった!?
文:河村大/写真:トヨタ、小林岳夫
【画像ギャラリー】え、フロアほんとに樹脂じゃん!! これだよ欲しいのは!! なランクル300の推しグレードがコレ(25枚)画像ギャラリー「ランクルにハイブリッド」は本当にアリ!?
普段からGRスポーツ(ディーゼル)の図太いトルクと信頼性に惚れ込んでいる身として、試乗直前まで胸の内には拭えない疑念があった。
「重量級の本格クロカンにハイブリッド?」「バッテリーやモーターを積んだ電動化モデルが、泥や岩場の極限状態で本当にディーゼルを超えるタフネスな走りができるのか?」と。
しかし、試乗コースに足を踏み入れた瞬間、その先入観は粉々に打ち砕かれた。ステージはロックセクションと深いモーグル。ここで電動化ハイブリッドの真価が牙を剥いた。
何より衝撃を受けたのは、極低速域におけるスロットルワークの追従性だ。ディーゼルも低回転トルクには定評があるが、ハイブリッドはアクセルペダルに足を乗せた瞬間、ゼロ回転から遅延なしでリニアにトルクが立ち上がる。
アイドリング直後のミリ単位のペダル操作に対し、タイヤが一切の唐突感なく路面をじんわりと噛み締める感触は、今までの内燃機関モデルでは味わえなかった感覚だ。
電動化で走破性はさらに進化! さらに新GXは待望の使い倒せるランクルへ!
対角スタックに陥るような激しいモーグル地形でも際立った扱いやすさを見せた。試乗車のGR-スポーツには、歴代最強と謳われた80系を超えるホイールアーティキュレーション(タイヤの路面追従限界)が与えられているのだが、これに電動モーターのアシストが加わるともはや鬼に金棒だ。
凹凸の激しい地形を車体を水平にしたまま走り抜けていく様はフラッグシップの風格にふさわしく、それ以上に「静かで快適な車内」では正直、地形の激しさを体感することすら難しかったのだ。
ディーゼルが持ち前の「粘り強さ」と「重厚な鼓動」で泥臭く路面をねじ伏せていく感覚だとすれば、ハイブリッドは「極めてクレバーで緻密なコントロール」で「静かに何事もなかったかのように」難所をいなしていく。
ラダーフレームがもたらす剛性感や強靭なストロークを誇るサスペンションの安心感はそのままに、ドライバーの手足となるパワーユニットの解像度だけが引き上げられている感覚だ。
「頑丈なメカとディーゼルこそランクルの本流」と信じて来たが、電動化はオフロードの走破性をスポイルするどころか、一段上の走りとコントロール性を実現させていた。さすがに満タン時の走行可能距離ではディーゼルに軍配が上がるが、ハイブリッドの300はオフロードでも世界を相手にすることができる「本物のランクル」だった。
今回の一部改良でGXは3.3Lディーゼル専用へ刷新。従来は800万円級の上位専用だったディーゼルが630万円台で手に入る。前後デフロックを標準化し、泥汚れに強い「樹脂製フロア」もOP設定可能。豪華さより実用性を追求し、気兼ねなくオフロードで使い倒せる待望の硬派仕様だ。
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