VW新型ゴルフ満を持して日本上陸 ゴルフは新型も「世界基準」となれるのか

VW新型ゴルフ満を持して日本上陸 ゴルフは新型も「世界基準」となれるのか

 2021年6月15日、フォルクスワーゲン(以下VW)は、第8世代となる新型ゴルフの日本仕様を発表、同日より発売することを発表した。

 欧州でゴルフ8が発売開始となったのは2019年12月のことだ。日本登場が、1年半も後になった理由は、コロナ禍や、半導体不足など悪い条件が重なったため、とのこと。既に日本でも、2021年2月9日より国内予約受注が始まっており、約1か月で受注台数1000台を超えたそうだ。

 今回、事前に開催された試乗会にて、ゴルフ8に試乗させていただいた。Cセグメントハッチバックの「世界のベンチマーク」とされているゴルフだが、今回の新型にも、その実力は引き継がれているのか!?

文:吉川賢一
写真:ベストカーWEB編集部/撮影:佐藤正勝

【画像ギャラリー】これが「世界のベンチマーク」の新型だ!! ようやく日本登場した新モデル「ゴルフ8」の全貌をギャラリーでチェック!!


日本仕様は、1.0 Lと1.5Lの eTSI

 欧州Cセグメントサイズの前輪駆動5ドアハッチバックである、ゴルフ。2020年の欧州販売台数でも、2位のルノークリオ(約24万台)に4万台もの差をつけて、ナンバー1(約28万台)を獲得しており、その人気はいまだ健在だ。

 VWは、ここ2~3年の間、T-Cross、T-ROC、TIGUANといったSUV兄弟や、ID:3、ID:4といったBEV(=Battery Electric Vehicle=バッテリー動力のみで駆動するEV)姉妹を大々的にアピールしているが、VWのラインアップで最も売れているのは、いまもこのゴルフだ。

 欧州で販売されているゴルフ8には、複数のパワートレインがある。1.0Lガソリンターボと48Vマイルドハイブリッドを組みあわせたeTSI、同1.5LのeTSI、1.4L e-Hybrid(プラグインハイブリッド)、2.0LディーゼルターボTDI(標準仕様と、その高出力版の2種類)、2.0LガソリンターボTSI(GTI用と、GTIクラブスポーツやR向けの高出力版の2種類)、といった具合だ。

 そのうち、今回日本へ導入されたのは、1.0LガソリンのeTSI(7速DSG)と、1.5LガソリンのeTSI(7速DSG)の2種類。グレード構成は、1.0L eTSIの「Active Basic」と「Active」、1.5L eTSIの「Style」と「R-Line」となる。

 先代にはあった、2.0LディーゼルのTDIも来るかと予想していたが、全て48Vマイルドハイブリッド付のガソリンエンジンとなった。太いトルクのディーゼルはSUVとの組み合わせで行く、ということなのだろう。

 詳しくは後述するが、1.0Lの3気筒ガソリンターボでも加速力不足は一切感じず、むしろ、ガソリンエンジンの持つ、滑らかな回転フィールとサウンドは、実に軽快で、好印象だった。

4295×1790×1475(全長×全幅×全高)ミリ、ホイールベース2620ミリ。ゴルフ7に対して、全長は30ミリ長く、全幅は10ミリ狭く、全高は5ミリ下がっている。ホイールベースは15ミリも短くなった
全体的なプロポーションがキープコンセプトされており、サイドビューやリアビューからは、新旧の判別が難しい
スリムになったラジエーターグリルと、薄目になったLEDヘッドライトがエクステリアの特徴。空気抵抗を表すCd値は0.3から0.275へと8.4パーセントも低減されている
1.0リッターeTSIの試乗車には、205/55R16のタイヤホイールを装着。先代モデルからリム幅を0.5インチ増加させた。タイヤはグッドイヤーエフィシエントグリップパフォーマンス

デジタル化されたインテリア 「直感的になった」とは言うが…

 ゴルフ8の最大のポイントは、インテリアのデジタル化だろう(VWでは「デジタルインテリアアーキテクチャ」と呼ぶそうだ)。デジタルメーターや、インパネ最上段に来ている10インチタッチスクリーンは、全グレードで標準装備となる。

 先代最終モデルの「マイスター」のような豪華なインテリアとは対照的に、機能追求かつシンプルに仕上げた未来的なインテリアは、新鮮でありつつも、「無駄」がなさすぎることで、若干寂しくも思える。

 いわゆる物理スイッチは数が減らされており、ナビゲーションの真下に並んだ、エアコン温度調節や、ボリューム調節、メニュー選択などの操作は、ほとんどがタッチパネル化されている。

 VWは、「直感的に操作ができるようになった」としているが、これが本当に「直感的」な形式とは、筆者は思えない。ナビの下部分のタッチスライダー(2本の指で触ってスワイプする操作など)、は、最後まで慣れなかった。運転中の揺れる車内で、この手のタッチパネルへ正確に触り、正確に操作するなんてことは到底できないんじゃないだろうか。

 「世界のベンチマーク」であるだけに、「ゴルフがタッチパネル化へ進むなら…」と、世界中のクルマがこうなってしまうのではないか、心配でならない。

フルデジタルメーターと、10インチのタッチ式ディスプレイが並ぶコクピット周り。メーターの右側には、ライトや視界関連のスイッチも、タッチパネル化されていた
やや硬めのサイドサポートだが、ホールド性の良いシート。ファブリックの素材は滑りにくく、身体をしっかりとホールドしてくれる良いシートだ
ホイールベースが15ミリ短縮されたそうだが、膝前スペースは十分にある。後席のサイドウィンドウも広く、多くの光が差し込み、先代と同様、後列シートは快適な空間であった
アクセルペダルの右側に、右足の置き場所がしっかりと確保されている。高速走行中のACC作動時に使うと、下半身の疲れが半減するほど役立つ工夫だ

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