【RAV4バカ売れ&C-HR急失速!!】一度は消滅 「SUVの火付け役」が復活した訳

なぜRAV4は売れるのか?

悪路での走破性や室内の広さを含め、SUVとして高い総合力を持つRAV4。日本市場復活以降、SUV販売No.1を独走中だ

 現行RAV4が日本で復活したのは、日本でもSUVブームになっていることに加え、トヨタの乗用車ベースのSUVは、C-HRとハリアーだけと意外に少ないことがあげられる。

 加えて、「現行RAV4とキャラクターは違うものの、同車格のハリアーとバッティングしそうなところもあるが、ハリアーが古くなっているので」という事情もあったと思われる。しかし、現行RAV4が売れているのにはそれ以外にも大きな理由が2つあると分析する。

【1】クルマ自体が素晴らしい

 現行RAV4は、カムリなどで高く評価されている「TNGA-Kプラットホーム」を使った世界戦略車ということもあり、クルマ自体の出来が素晴らしい。素晴らしさを具体的に挙げれば、

・2Lとは思えない速さを備えるガソリン車、3.3LのV6だった先代ハリアーハイブリッド並みの動力性能を持つハイブリッド、それぞれの高次元な動力性能と燃費のバランス

・トヨタ車らしいイージードライブ性能と楽しさを絶妙にミックスしたハンドリング

・こだわりのある人を含めほとんどの人が満足するであろう快適な乗り心地

・ガソリン車、ハイブリッドともに4WDはトラクションやスタビリティと曲がる楽しさを見事に融合している点

・自動ブレーキなどの予防安全&運転支援システムは、夜間の歩行者や昼間の自転車まで対応する「トヨタセーフティセンス」の最新版で、日本で買えるクルマトップクラスと文句なし

 このように、機能面だけでもあっという間に「売れる理由」が浮かぶ。さらに、室内の広さも申し分なく、価格も納得できる範囲だ。

 トヨタ車らしい移動の道具としての完成度の高さに加え、内外装や走りでも趣味性や楽しさまで備えているのだから、「RAV4が売れないほうがおかしい」と感じるくらいだ。

「前No.1車」C-HRが失速しRAV4が受ける理由は?

対照的に失速気味なのが“前王者”C-HR。クルマの特徴もRAV4とは対照的だ

【2】身内のC-HRをRAV4が食っている

 2017年、2018年とSUV人気No.1に輝いたC-HRであるが、よく見ていくと万人向けとは言えないところや弱点も少なくないクルマである。こちらも具体的に挙げていくと…

・C-HRはSUVに分類されるが、最低地上高は最大で155mmと乗用車と変わらず、クーペルックのクロスオーバーと考えた方が正確だろう。そのため、雪道を含めた悪路走破性はそれほど考えておらず、室内やラゲッジルームも決して広いとはいえない。

・最近マイナーチェンジを受けてもハイブリッドの4WDは設定されず、4WDがある1.2Lターボエンジンも特に魅力を感じるパワートレーンではない。

 以上を踏まえると、C-HRはトヨタ全チャネルで販売されるという強みはあるにせよ、RAV4も、東京ではトヨタディーラー全店、カローラ店とネッツ店でも販売されるだけに、C-HRを見に来たユーザーが「オーソドックスなSUVのRAV4の方がいいか」と考えるケースも多々あうだろう。

 むしろ、C-HRはこれだけ個性の強いクルマが、約3年間に渡ってこれほど売れたことの方を称えられるべきではないだろうか。

 いっぽう、ハリアーは現行モデルとなり6年目となった2019年に入り、現行RAV4が登場した後も3000台前後の販売をキープ。現行RAV4とハリアーがバッティングしている印象はまったくない。

 これは同車格のSUVでも、SUVらしいRAV4とゴージャスなハリアーという棲み分けが、今のところうまくできているためだろう。

◆  ◆  ◆

 絶好調なRAV4を見ると、「車種に限らず売れるもの」というのは、その商品に求められる要素を高次元でバランスさせるか、そうでなければ何か飛び抜けた部分が必要なことがよく分かる(前者が現行RAV4、後者がC-HRやハリアーだ)。

 RAV4自体に関しては現状でもほぼ磐石だ。

 さらに2019年11月のLAショーに出展されるPHEVが適価で日本にも導入され、ミドルSUVでは空白となっているスポーツモデルが追加されるようなことがあると、ライバル車が白旗を挙げてしまいそうな完全無欠のSUVになりそうだ。

 現行RAV4は、元気一杯のトヨタと、対照的に元気を感じないトヨタ以外のメーカーを象徴する存在なのではないだろうか。

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