なぜクラウンは売れ続ける?
日本市場自体で、セダンが不人気であることは間違いない。しかしなぜか、クラウンとカローラは、買い続けられている。
10月に登場したカローラは、新車効果もあるため販売台数が絶好調なのは理解できるが、発売後1年半も経っても、未だ月4000台近くが売れ続けるクラウンは、凄いの一言である。
その理由について、この新型クラウンが発売されたころ、とあるトヨタ販売店の営業マンに聞いたことがある。
その営業マンによると、新型クラウンが出たら、とりあえず買ってくれる顧客が、いまだ多くいるそうなのだ。
それは、クラウンならば何もかもが大丈夫という絶対的な信頼関係を、クラウンを売る営業マンが、顧客との間で強固に築いてきた恩恵である。
ただし、気に要らないことがあれば、営業マンは顧客に呼び出され、こんこんと説教をされることもあるらしい。
クラウンが売れ続ける理由は、クルマが魅力的なのはもちろん、それを支える営業マンたちによる努力が成し得た驚異の販売構造にこそ、あるのだ。
ちなみにその営業マンの方に今回のモデルチェンジで顧客の若返りはできましたか? と尋ねたところ、70代が60代後半になりました。と苦笑いで応えてくれた。
ただ、続けて新型クラウンが出るたびに、オプションフル装備のクラウンを買う! と言っていただけるお客様がいるのは、クラウンだけ。若返りと同時に既存顧客も大切にしたいとのことだった。
まとめ
BMW5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスをベンチマークにして開発された新型クラウン。
しかし、一番安いクラウンの2.0Lターボモデルは469万円からという価格設定であり、同グレードの輸入車に対して明らかに安い。
国産セダンという安心感、充実した装備もあって、輸入車からの乗り換え需要もあるという。
このまま、国産高級セダンカテゴリにおける、クラウンの独走は続くのだろうか。日産でFR車の新車開発をしていた筆者としては、少し寂しいような気もするが。
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