11月27日に静岡県の富士スピードウェイで行われたトヨタ GAZOOレーシング フェスティバル(TGRF)2016。
年に一度のトヨタモータースポーツの祭典だ。今年はあっと驚くサプライズ、そしてガズーの新たな一面を魅せるさまざまなイベントが実施された。走行系を中心にレポートをお届けしよう。
文:WEB ベストカー編集部/写真:西尾タクト、塩川雅人
あのクルマがついに日本でも走った!!
トヨタのモータースポーツというと現在ではスーパーGTを連想する人が多いと思うが、やはりそのルーツはラリーにある。
すでに1970年代からトヨタは WRCで目覚ましい活躍を始め、1990年代にはカルロス・サインツやユハ・カンクネンがセリカを駆りドライバーズタイトルを獲ったほか、念願のマニファクチュアラーズタイトルも獲得する。
1995年にリストリクターへの不正が発覚してWRC参戦禁止処分が下されるという過去もあったが、1999年のカローラWRCでのマニファクチュアラーズタイトル獲得など最後までその戦闘力はワールドクラスを維持した。
しかしながらF1参戦のタイミングも重なったことから、この年を最後にラリーから撤退している。そんなトヨタのラリー史が2017年から再びWRCの舞台で再開する。
なんとオープニングセレモニーで突如2017年からのWRC参戦マシン、ヤリスWRCが日本で初お披露目されたのだ。
しかもドライバーはトヨタのWRCチームを率いるレジェンド、トミ・マキネン氏、そしてコ・ドラはモリゾウ選手こと豊田章男社長だ。豪華すぎる競演に会場からはどよめきが止まらないほど。
さらにラリーパークでは往年の名車ST185がコースチェックの「ゼロカー」を務めるなど、魅せる演出にクルマ好きは大興奮。
またトヨタと協業関係にあるスバルやSTIも参戦し、ベストカーでもおなじみの新井敏弘選手がWRX STIを華麗なドラテクで操り観衆を魅了した!!

ラリーだけじゃない、GAZOOが挑む耐久の世界
トヨタは数々のモータースポーツカテゴリーに参戦していることもあり、当日は走行する車両たちもさまざま。
富士スピードウェイの本コースでは世界を舞台に戦うレーシングカーがデモラン。まず行われたのが「ニュル24時間耐久レース」を再現したデモランだ。
今回はスバルのニュル仕様のWRX STIが参戦しているというのも大きな目玉。路面がウェットなのをいいことに、なんとV10搭載のLFAのインに飛び込むという下克上を達成!?
ストレートではさすがにかなわないがコーナー立ち上がりではAWDの底力を見せつけた。メーカーの垣根を超えたエキシビションがトヨタのイベントで見られるのはファンとしては嬉しい限り。
さらには市販車が発表される前からニュルに挑んでいたC-HRのニュル仕様もお披露目。ニュルで鍛え上げたハンドリングは、市販車の開発にも大いに役立っているはずだ。
当日はこのほかにRCF、86のニュル仕様車もデモランを行い、会場のファンを湧かせた。

トップカテゴリー夢の競演は夢のまま!?
日本のトップカテゴリーはスーパーGTとスーパーフォーミュラ。2016年シーズンは両カテゴリーともトヨタのドライバーがチャンピオンを獲っており、トヨタにとってはかなりおめでたいシーズン。
スーパーGTは39号車レクサスチームサードのヘイキ・コバライネン/平手晃平組、スーパーフォーミュラは国元雄資選手がチャンピオンに輝いた。
そんなトップカテゴリーが異種格闘をしたら……、というクルマ好きの純粋な夢を叶えてくれるイベントがフィナーレとして用意されていた。
その名も「スーパーGT vs スーパーフォーミュラ スペシャルバトル」。シーズン中ではあり得ない光景だけに会場のボルテージも最高潮に。
しかし無情にも雨足は強まりコースオフする車両が頻発。視界不良で危険との判断でわずか数周で夢のような時間は中止に。
特にフォーミュラマシンのダウンフォースは強烈で、巻き上げる雨しぶきはGTマシンよりはるかに大きく、後続車両は視界の確保が難しかったことが想像できる。
夢の競演はまた来年に持ち越しとなった。
ベストカーもブースを出展
ベストカーもブースを出展。今年はチャンピオンスパークプラグからチャンピオンガールがブースに登場。さらに新井大輝選手の愛機シトロエンDS3 RS3-MAXを展示。またイベントで皆さまにお会いできるのを楽しみにしています!!


「ラリーといったらワシが必要じゃ」とのことでどこからともなく竹ちゃんマンがBCブースに登場した