なぜ[コペン]がミニマム級王者になれたのか!? [ワンダフルスモール]に成功の理由があった!

なぜ[コペン]がミニマム級王者になれたのか!? [ワンダフルスモール]に成功の理由があった!

 軽自動車をスペシャリティカーにした代表的な存在は、ダイハツ・コペンであろう。1999年の東京モーターショーに「KOPEN」として登場したクルマは、文字通りに軽オープンカーの新たな歴史を作り上げた。車名はそのままに、現在はGR SPORTモデルがトヨタでも販売されているコペン。軽自動車に新たな風を吹かせた、コペンの初代モデルを振り返っていく。

文:佐々木 亘/ダイハツ、トヨタ

小さなボディに高い戦闘力をつぎ込んだコペンはまさに「小さな巨人」
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コペンは「ワンダフルスモール」の体現者

小さなボディに高い戦闘力をつぎ込んだコペンはまさに「小さな巨人」
小さなボディに高い戦闘力をつぎ込んだコペンはまさに「小さな巨人」

 初代コペンが登場したのは2002年。環境問題や資源問題が表立って議論され、クルマが地球環境に与える影響を無視できなくなった時代でもある。この時ダイハツは、小さなクルマが選ばれる時代がやってくることを見据え、小さなクルマでしか味わえないときめきや、小さなクルマでもここまでできるという驚きを表現し続けた。

 それは当時ダイハツが掲げていたスローガンでもある「ワンダフルスモール」に凝縮される。そして技術・品質・創意を注ぎ込み、生まれたのがコペンだ。

 卓越の運動性能とアクティブトップは、操る楽しさと所有する喜びを与え、スモールカーの可能性をより高く引き上げるものだった。「最小のボディに最大の夢を」という思いが結集し、世界最小電動開閉式ハードトップ・オープンスポーツが誕生する。

非日常へと誘うアクティブトップ

電動開閉式ルーフはこれまでの軽オープンスポーツと一線を画す
電動開閉式ルーフはこれまでの軽オープンスポーツと一線を画す

 単純に軽オープンカーということであれば、カプチーノやビートなど、過去にも様々な例があった。ただのオープンカーではなく、スペシャリティカーになるために、コペンのルーフが電動開閉式になることは、必然だったと思う。

 クルマを停めて、スイッチ一つでオープンカーになる歓びは、所有したものにしか分からない楽しさであり、特別感の塊である。そこに必要なのは、早さとスムーズな動作、そして手軽さだ。

 コペン音アクティブトップは、2か所のルーフロックを解除してスイッチを入れるだけで動作する。わずか20秒で開閉動作は終わり、光と風を体に直接浴びることができるのだ。ルーフは軽量アルミ製で耐候性や遮音性に優れるとともに、盗難防止にも効果的。オープン時はもちろんのこと、クローズ状態でもコペンのボディラインは流麗なクーペフォルムを作り上げているのにも感嘆させられる。

特別なクルマは特別な人と場所で組み上げられる

「ワンダフルスモール」を実現させた要因のひとつにはこのエンジンの存在があった
「ワンダフルスモール」を実現させた要因のひとつにはこのエンジンの存在があった

 ツインカム4気筒16バルブEFIターボエンジンや、専用クロスレシオ化され快適な操作性を追求した5速マニュアルトランスミッションなど、コペンの心臓部や足まわりには、高性能なパーツがひしめき合っている。

 こうしたコペンのために開発された各パーツは、走りを愛する熟練した高技術者の手で組み上げられているから、またすごい。コペンのために製造された専用ファクトリー「エキスパートセンター」で組み上げられるコペンは、まさに軽自動車のスペシャリティカーなのである。

 通常の量産ラインでは不可能な工程は、厳しい社内資格認定制度で選び抜かれた数十名による手作業で行われる。CO2溶接やコペンの核とも言えるアクティブトップ機構の配線・調整を行い、各部の剛性感・操作音・質感の造り込みが行われた1台1台のコペンは、夢の結晶体だ。

 こうした製造方法は、トヨタのセンチュリーや、レクサスでも一部の特別な車両でしか行われていない。コペンが、どれほど特別なクルマとして製造されているのかが、お分かりいただけるだろう。

 現在は世界のトヨタも認める品質を担保し、GRスポーツの中核を担うクルマへと成長したコペン。現行モデルは10年戦士となり、モデルチェンジの期待も高まる中で、コペンはこれからの10年間で、私たちにどんな景色を見せてくれるのだろうか。これからの展望も楽しみでならない。

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