2001年に「タウンエースノア」「ライトエースノア」という車名から統一されて、カローラ店向けの「ノア」とネッツ店向けの「ヴォクシー」が誕生。そこから3代目となる2014年には、トヨタ店・トヨペット店向けとして「エスクァイア」が追加された。
トヨタを代表する人気ミニバンにまで成長した3モデルだが、トヨタの販売系列統合によりその状況が変わってきたようだ。ノア/ヴォクシー/エスクァイアの最新中古車事情を紹介したい。
文/萩原文博
写真/TOYOTA、編集部
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■販社統合による販売網拡大で変わる立ち位置
トヨタは2020年5月に現在4系列ある販社を統合し、全店で全車種を扱うようになる。そのプロローグとして、2019年4月に東京地区の販社が統合されトヨタモビティ東京が発足している。
販社が統合されると、どのような影響があるのかというと、現在トヨタのミニバンのベストセラーモデルとなっている「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」の3兄弟。2019年の新車登録台数は12万5587台で、トヨタ「プリウス」が久しぶりにトップに返り咲いたが、ネッツ店が扱うヴォクシーの登録台数は8万8012台、カローラ店が扱うノアが5万2684台、そしてトヨタ店/トヨペット店が扱うエスクァイアが4万2489台なので合計すると18万3185台となり、この3モデルが統合されると、トップのプリウスを約6万台も上回るメガヒットモデルとなるのだ。
そこで今回は、この陰のメガヒットモデルであるヴォクシー/ノア/エスクァイアの3モデルの中古車相場をチェックし、東京地区での全車種取扱や10月の消費税増税がどのような影響を与えたのかを検証する。
■中古車価格、流通台数の変化が大きかった2019年
現行型のヴォクシー/ノア/エスクァイア3兄弟は2014年から販売開始され、6年目に突入。しかし、ライバルの日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」と比べると、最も登場が古いモデルながら、安定した新車のセールスを記録しているのが、中古車相場はどうなのだろうか。
まずは約3700台と最も中古車の流通台数が多いヴォクシーから見てみる。ヴォクシーの中古車の流通台数は、消費税増税直後だった3カ月前の約2900台から増加し、現在は約3700台となっている。そして、平均価格の推移は2019年1月の時点が約242.8万円で、9月に約225.1万円まで値落ちした。しかし、消費税増税後は値上がりに転じて、現在は約231万円となっている。
続いてのノアもヴォクシーと同様に、中古車の流通台数は3カ月前の約1800台から現在は約2200台へと増加。そして平均価格は2019年1月の時点が約227.6万円で、9月の底値となる約205万円まで値落ちするが、現在は反発して約218万円まで値を戻している。
そして、エスクァイアも中古車の流通台数は3カ月前の約1000台から現在は約1600台まで増加。平均価格は2019年1月の時点が約256万円で、底値となった約239万円をヴォクシー/ノアより早い7月に記録。現在は約242万円と値上がり幅も最も小さい。
この値動きとリンクしているのが中古車の平均走行距離で、ヴォクシーとノアは3カ月前より現在のほうが走行距離は短くなっているのに対して、エスクァイアはほぼ横這いと異なっている。この違いは、ヴォクシー/ノアは最近走行距離の少ない中古車が大量に発生したことを表わしているのだ。
それを踏まえて中古車を見てみると、ヴォクシーは走行距離500km以下で2019~2020年式という、いわゆる未使用中古車が約590台。そしてノアは約200台も流通していることがわかった。
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