2019年のミニバン登録台数ナンバー1は、日産セレナ(9万2956台)が獲得した。
2位がトヨタヴォクシー(8万8012台)、3位がトヨタアルファード(6万8705台)、4位がトヨタノア(5万2684台)、そして5位がホンダステップワゴン(5万2676台)という順位だ。
日産、トヨタ、ホンダが熾烈な争いを繰り広げている激戦区ミニバンの中にあって、セレナが勝利したことは、よくないニュースばかりが取り沙汰される日産にとって、さぞうれしい知らせであろう。
さて、このミニバンたちには、どういった違いがあるのだろうか。
国産3大メーカーの、2Lクラスのエースミニバン「セレナ」「ヴォクシー」「ステップワゴン」、それぞれの長所・短所を考察してみた。
文:吉川賢一、写真:日産、トヨタ、ホンダ
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アピール力で勝ったセレナ!! 優勢の理由はe-POWERの存在
セレナの人気を引き上げた要因が「e-POWER」にあることは間違いない。
現行C27型セレナが登場したのは2016年8月。実は、e-POWER登場までは、セレナはヴォクシーに負けて、2位だった。
e-POWERが追加された2018年3月以降、セレナは大人気となり、ヴォクシーを超えて2018年のミニバン販売台数1位を達成、そして2019年も1位を守った。
そんなセレナ最大の長所であるPOWERは、排気量1.2リットル3気筒エンジンで発電し、最大出力136ps、32.6kgfmを誇るモーターで、大柄なボディを力強く駆動する。
発電時のエンジン音も静かに抑えられており、ロードノイズも静かで、
しかも、カタログ燃費26.2km/L(JC08)は3台の中ではトップだ。ちなみに2.0Lのガソリンモデルの燃費は16.6km/L。
また2019年8月のマイナーチェンジで、これまでおとなしかったフロントマスクの迫力が増し、特にハイウェイスターはアルファードのようなオラオラ顔に進化した。
さらには、最新の先進運転技術であるプロパイロットも搭載という日産の技術の粋を集めたのがセレナだ。
「e-POWER」、「プロパイロット」、「(2018年)ミニバンナンバー1」の様に、キャッチーなキーワードを複数盛り込み、テレビCMやSNS、ディーラーでの車両展示で、これでもかと言わんばかりにアピールしたことで、認知が広がったのだろう。
しいて弱点を上げるなら、インテリアの質感だ。セレナのインテリアは、先進的で使い勝手は非常に良いのだが、高級感に乏しく、あと一歩進化してほしいと感じる。
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