【セレナ2年連続No.1獲得】最激戦区ミニバンたちの長所と短所

カッコ良い系フェイスのヴォクシー、ただしそれだけ?

 オラオラ顔ミニバンの代名詞と言えば「トヨタヴォクシー」であろう。現行モデルは2014年1月に登場した3代目だ。

ヴォクシー特別仕様車 ZS“煌(きらめき)II
ヴォクシー特別仕様車 ZS“煌(きらめき)II

 迫力のあるフロントデザインと、低重心のワイドボディを専用フロントフェンダーパーツで強調し、ちょい悪な存在感を表現した。

 排気量2.0Lガソリンエンジンモデルと、1.8LのTHS-IIを積んだハイブリッドモデルがあり、JC08モード燃費は、前者が14.8~16.0km/L、後者は23.8km/Lだ。

 ヴォクシーの長所はこのデザインにある。大型のフロントグリル、吊り上がったヘッドランプなど、かっこいいデザインは、このようなミニバンを好む方にとっては魅力的であろう。

 さらには、GRスポーツ、モデリスタ、TRDなど、メーカー直結のエアロパーツが豊富にある。ユーザーの好みに応じて、カスタマイズできるのも魅力だ。

プリクラッシュセーフティ(イメージ画像)
プリクラッシュセーフティ(イメージ画像)

 さらには、レーザーレーダーと単眼カメラを併用した検知センサーを採用したToyota Safety Sense、プリクラッシュセーフティ、急発進を抑制するドライブスタートコントロール、優秀なACC、駐車枠にまっすぐ入るように自動で、

 ステアリング操作を行うインテリジェントパー-キングアシストなど、ライバル車にある先進安全装備は、抜かりなく備えている。どこを見ても弱点がないのだ。

 ヴォクシーの弱点は、他者との差別化できるポイントが「デザインだけ」という点だ。

 細かく見れば、インテリアはやや古臭く、固定式のインパネ一体型大型コンソールなども、少々時代遅れを感じる(※セレナには1列目にも2列目にもセットできるスマートマルチセンターシートを装備)。

 見た目に惹かれたものは飽きやすいと言う。つまり、今のデザインに飽きられたら終わりなのだ。

ヴォクシーの兄弟車であるノア
ヴォクシーの兄弟車であるノア

 ただし、忘れてはならないのは、兄弟車のノアとエスクァイアが控えていることだ。

 それらのデザインバリエーションまで含めれば、この弱点も補完しあえる。トヨタの包囲網は完璧だ。

ワクワクゲートにチャレンジしたステップワゴン、しかし評判は今一つ

 「ミニバンブームの火付け役」ともいえるステップワゴンの現行モデルは、2015年4月に登場した5代目。

5代目ステップワゴン スパーダ ハイブリット (2017年マイナーチェンジ)
5代目ステップワゴン スパーダ ハイブリット (2017年マイナーチェンジ)

 2世代前は、ホンダお得意の低床、低重心を売りとした背低ミニバン(全高1770ミリ)をアピールしていたが、現在は全高1840ミリまで背高になっている。

 1.5L VTECターボエンジンのガソリン車と、主に発電をする2.0Lエンジンと2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」を積んだハイブリッド車があり、JC08モード燃費は、前者が15.8km/L、後者は25.0km/Lだ。

 そんなステップワゴンの長所は、何といってもテールゲートに横開き式のサブドアを組み合わせた「わくわくゲート」と、3列目シートを左右分割して床下格納できる「マジックシート」だろう。

 テールゲートを中央で折れるようにしたため、リアの視界には縦に黒いラインが入ってはしまうが、そのかぶり代も最小限になる様に、設計されている。

 また、3列目の格納もお見事の一言だ。こうした新技術にトライしたことは非常に評価できる。

横からみたわくわくゲート
横からみたわくわくゲート

 短所は、残念ながら、この「わくわくゲート」の評判がよろしくない。

 わくわくゲート構造化のための補強によって、リアゲートは非常に重く、さらに、リアバンパー下から開く構造のためにゲートが大きく、さらに重くなっている。

 ミニバンであるから、多くの荷物を積み込みたくなるものだが、そのたびに、この大きなリアゲートを開けるのは、大変なようだ。

 また、ハイブリッドの価格が他メーカーよりも割高だ。e:HEVを購入する場合342万円(e:HEV SPADA Gホンダセンシング)。

 近しいグレードのセレナe-POWERは329万円(e-POWERハイウェイスター)、ヴォクシーは334万円(HYBRID ZS)と、10万円強高い。

 運転したフィーリングは良いのだが、前述したように、燃費も特別優れているわけではない。

次ページは : まとめ

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