オデッセイ、シビックも栄枯盛衰 ホンダの名門車が凋落した分岐点


アコードの分岐点(1993年発売/5代目)

1993年発売のアコード。北米向けのUSアコードと共通モデルとなり、全車3ナンバー化された初のモデル

 シビックに続いて登場したホンダの主力車種だ。初代モデルは1976年に発売され、厳しい排出ガス規制を乗り切った。

 1985年発売の3代目は、前後席ともに居住性が優れ、内装は上質で、視界も良いから運転しやすい。1989年登場の4代目も3代目の路線を踏襲したが、後に3ナンバーサイズのワゴンを北米から輸入している。

 この後1989年に消費税が導入されると、自動車税制の改訂で3ナンバー車の不利が撤廃。1993年発売の5代目は、海外仕様と共通ですべて3ナンバー車になった。

 メーカーとしては、ボディが大きくなって見栄えも良くなればユーザーは喜び、海外と共通化すると開発効率も高まって一石二鳥と考えた。

 ところがこの方法が裏目に出て、アコードの国内販売は急降下した。3ナンバーサイズが敬遠されただけでなく、海外に合わせた大味なデザインが、国内で共感を得られなかった。問題はサイズではなく「誰に向けて開発したのか」というクルマ作りの本質にあるわけだ。

 しかもホンダは、5代目アコードの発売と同じ1993年に、5ナンバーサイズで内外装を上質に仕上げたアスコット&ラファーガを投入。アコードは少なからずユーザーを奪われた。

6代目アコード。セダンの基準車を再度5ナンバー化したほか、ユーロR(=写真)など本来のスポーティさを強調するモデルもラインナップ

 そこで1997年登場の6代目は、セダンを5ナンバーサイズに戻している(ワゴンは3ナンバー車を踏襲)。

 従来の引き締まったスポーティ感覚を取り戻したが、当時すでに1998年発の初代ステップワゴンやS-MXが注目されていた。遅きに失した感があり、アコードは再び海外と同じ3ナンバー車になった。

 そして、北米では2017年に新型アコードが登場したのに、日本では今でも2013年に発売した旧型を売り続けている。

(編注/新型アコードは2020年2月下旬に日本発売予定。すでにホンダ自身も発売を明言しており、北米で先行発売されていたモデルが約2年半遅れで投入される)

2月下旬発売予定の新型アコード

 新型はプラットフォームを刷新して走行安定性を高め、安全装備も充実させた。そうなると日本のユーザーには、海外よりも危険なアコードを売っていることになってしまう。

 昨今の国内市場が貧困になった一番の原因も、まさにこの点にある。日本のユーザーを大切に思う気持ちが欠けていることだ。

 その結果、ホンダに限らず、日本の数多くの名車がターニングポイントを迎え、売れ行きを下げてしまった。

【画像ギャラリー】ホンダの名門 衰退に向かった当時と今のモデル

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