昨年(2019年)10月25日、フォルクスワーゲンが限定車「ゴルフGTI TCR」を発表、同日より受注を開始した。
ベースとなったのは2012年登場の『ゴルフ7』。足掛け8年で積み重ねた世界のフラッグシップモデルの熟成の極み。その魅力のほどを試乗で探る。
■ゴルフGTI TCRの特別装備
・専用チューニングの290ps/38.7kgmの2Lターボエンジンを搭載
・電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック搭載
・アダプティブシャシーコントロール
・大径ブレーキ装備
・チタンエキゾーストパイプ
・235/35R19タイヤ&専用アルミ
●【画像ギャラリー】専用色ピュアグレーが映える!! ゴルフGTI TCRの画像をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年1月のものです
文・写真:ベストカー編集部/撮影:西尾タクト
初出:『ベストカー』 2020年2月10日号
■TCRのイメージでチューニングされたスペシャルカーが登場!! 限定600台!!!
本国ではフルモデルチェンジして8代目となった新型モデルが発表され、試乗レポートもお届けしたVWゴルフだが、ゴルフ8が日本に上陸するのは今年後半の予定。
で、モデル末期=熟成の極みとなった『ゴルフ7』のスペシャルモデル、「GTI TCR」がかなり面白い。
TCRというのは欧州を中心にシリーズ戦が展開され人気の高いツーリングカーレースの国際規格。日本でも昨年から「TCRジャパン」が開催され、ゴルフも参戦しているのだ。
このTCRのイメージでチューニングされたのが昨年10月25日により受注を開始したこのモデル、ということになる。
600台限定のスペシャルモデルで残り少ないということだが、まだ買える。
ボディカラーは『ピュアホワイト』、『トルネードレッド』、『ディープブラックパールエフェクト』などが用意されるが、やっぱりこのTCR専用の『ピュアグレー』がバッチリ似合っている。
搭載されるエンジンはGTIシリーズの直4、2Lターボなのだが、専用チューニングによりプラス60psの290psまでパワーアップ。
最大トルクは38.7kgmを発揮。7速DSGが組み合わされる。
■レース仕様モデルの市販バージョン…しかしながら生活の足としても十二分!
ゴルフのハイパワーバージョンとしては310ps/40.8kgmを発揮するゴルフRがすでに存在するけれど、あちらは4WD。TCRはFFでこのハイパフォーマンスを味わえるところがキモ。
4WDのトラクションでガツンとハイパワー&ビッグトルクを味わうのも魅力的だけど、軽快なFFならではのフットワークはツウ好みの味わいで楽しい。
電制油圧式ディファレンシャルロックが組み込まれているので、ハードなコーナリングでフロントイン側タイヤの荷重が抜ける場面でも、アクセルオンでグイグイ引っ張ってくれる。
この感覚は昔々初代インテグラタイプRに乗って感動したあの感覚を蘇らせてくれた。
しかも電制でロック率をリニアにコントロールしてくれるため、過剰にインに切れ込むような挙動や、ステアリングにキックバックを感じるようなことはない。
そんなわけでジャジャ馬味はちょっと薄く現代的なんだけど、スムーズなくせに恐ろしく速いコーナリングをこともなげに決めてくれちゃうのだ。
見た目にも刺激的なアンダースポイラーを纏って235/35R19なんてタイヤを履いているのでガチガチなのかな!? なんて思うと肩すかしを食うほどしなやか。
もちろん硬さはあるのだが、突き上げるような硬さではなく、しっかりと足が動いているので不快感はなく、「ゴルフなんだから家族でドライブ」にももちろんOK。
シートも専用表皮は使っているけど形状は標準GTIと同じなので「普通」に使えて日々の足にもまったく問題なしってのがゴルフ流スポーツなのだ。
■VWゴルフGTI TCR主要諸元
・全長×全幅×全高:4275mm×1800mm×1465mm
・ホイールベース:2635mm
・車両重量:1420kg
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ、1984cc
・最高出力:290ps/5400-6500rpm
・最大トルク:38.7kgm/1950-5300rpm
・トランスミッション:7速DSG
・サスペンション:ストラット/4リンク
・タイヤサイズ:235/35R19
・WLTCモード燃費:12.7km/L
・価格:509万8000円
●【画像ギャラリー】専用色ピュアグレーが映える!! ゴルフGTI TCRの画像をギャラリーでチェック!!!
◎限定記事も配信中! ベストカーwebの『LINE@』がはじまりました!
(タッチ・クリックすると、スマホの方はLINEアプリが開きます)
コメント
コメントの使い方