■ホンダ グレイス 2017年8月販売台数100台
同じホンダではコンパクトセダンのグレイスも優れた商品だ。フィットのプラットフォームを使って開発され、5ナンバーサイズなのに車内は広い。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。この寸法はクラウンなどのLサイズセダンと同等だ。
コンパクトセダンでは走行安定性と乗り心地のバランスも優れ、プラットフォームが共通のフィットを大幅に上まわる。先進安全装備のホンダセンシングも採用され、商品力はカローラアクシオよりも高い。
それなのに売れ行きはカローラアクシオの30%程度だ。フィットのプラットフォームがベースだから、車内が広い半面、ボンネットが短く見えてセダンらしいスマートさが乏しい。
地味なフロントマスクも災いしたが、最大の敗因はオデッセイと同じ売る気の乏しさだ。
カローラアクシオはトヨタカローラ店が専売車種として大切に扱うが、ホンダカーズは全店が全車を売る。今はセダンの売れ行きが全般的に低調だから、販売力がNーBOXやフィットに注がれてグレイスは伸び悩んだ。
またグレイスは価格の安さが重要なコンパクトセダンなのに、2014年12月に発売されたのはハイブリッドだけで、安価なノーマルエンジン車は翌年に加えた。これも失敗の理由だ。
最初はノーマルエンジン、次にハイブリッドを追加して売れ行きを伸ばした車種はいくつか見られるが、逆のパターンで成功したクルマはほとんどない。
オデッセイを含めて、最近のホンダは国内運営の仕方が非常に悪く、売れるべきクルマに自ら不人気車のレッテルを貼り付けている。とても残念だ。
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