先般、当サイトにて『混ぜると危険!!? レギュラー指定にハイオクを、ハイオク指定にレギュラーを入れてはいけない事情』という記事を作成、公開しました。そちらの記事は、多くの読者および関係者から「ここは間違っている」、「ここの記述は大雑把すぎる」とご指摘をいただき(現在は記事自体を非公開としております)、再調査、再取材。記載された情報の多くが古く、また思い違いもありました。当サイトとしてはおおいに反省して、当該記事の修正、この機会にレギュラーガソリンとハイオクガソリンに関する正確な知識を学び、それをお知らせすべく、本企画を作成いたしました。
多方面にご迷惑をおかけしたことをお詫びし、今後の糧としてまいります。
文/ベストカーWeb編集部、国沢光宏監修、写真/SUBARU、TOYOTA、LEXUS、HONDA、MAZDA、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部
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ハイオク仕様にレギュラーを入れた場合
結論から申し上げると、現時点で日本で販売されている新型車の多くのハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れても、基本的に問題はありません。
まずは(1)まったく問題ないクルマ、(2)ハイオク推奨しているクルマ、(3)一部の特殊な輸入車という3タイプに分類して見ていきましょう。
(1)まったく問題がないクルマ
現在日本で販売しているほとんどの新型車(下記(2)、(3)以外)は、これに当てはまります。
(2)一部の「ハイオク推奨」しているクルマ
GDB(2000~2007年)のインプレッサWRX STI(2L、水平対向4気筒ターボのEJ20エンジン搭載車)、最終型のトヨタセリカなどに搭載されていた1.8L、直4DOHCの2ZZ-GEエンジンは、ハイオクを推奨するというよりは、「ハイオク限定」というべきモデルで、こうしたクルマのようにレギュラーの使用はNGのクルマがあります。現行モデルでは、日産GT-Rもこのタイプのクルマと言えるでしょう。こうしたモデルはレギュラーガソリンを入れるべきではありません。
(3)一部の特殊な輸入車
ほとんどの輸入車は問題ありませんが、一部の特殊なクルマ(ワンオフモデルなど)についてはその例にあらずということです。
(2)、(3)に分類されるクルマについては、指定どおりハイオクを入れましょう。
では、(1)に分類されるクルマについて、なぜレギュラーを入れても問題ないのかについて見ていきます。
オクタン価はレギュラーが89以上、ハイオクが96以上と規定されていて、数字が大きいほど着火しにくくなります。つまりレギュラーガソリンよりもハイオクガソリンのほうが着火しにくいということになります。
着火しにくいというのは、一見性能が悪いと感じるかもしれませんが、まったく逆で、圧縮比を高くすることができたり、高回転化に対応できるというメリットがあります。ハイオクがレギュラーよりも10~15円程度高いのは、この着火しにくくなる成分によるものです。
ハイオク仕様にレギュラーを入れた時に問題になるのは、この着火タイミングで、(ハイオク仕様車に設定された)適正なタイミングよりも早く着火することにより、「ノッキング」という異常燃焼を起こすことがあるからです。
しかし、最近のハイオク仕様のクルマは「ノックセンサー」の搭載により、点火時期を遅らせることができるようになったため、問題ないというわけです。
では、ノックセンサーのついていないかなり古いクルマの場合はどうなのでしょうか?
古いハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れてエンジンの回転を上げていくと、進角してノッキングが起こります。この場合は、明らかに異常があることがわかるため(カラカラとかキンキンという打音が起こる)、必然的にドライバーがエンジンを切るレベルです。その時点ですぐにエンジンが壊れることはありませんが、そのままエンジンを使用し続けると、トラブルの要因となります。
ハイオク仕様のエンジンに搭載されているノックセンサーにはいろいろなタイプがありますが、ハイオク用とレギュラー用のマップを切り替えるタイプの場合、デフォルトはハイオク用マップで、ノッキングを感知するとレギュラー用のマップに切り替えます。そしてエンジンを切ると、デフォルトのハイオク用マップに戻ります。
レギュラーを入れ続けたためにハイオク用のマップに戻りにくいと言った弊害も出ることはありません。
実際にハイオク仕様にしばらくレギュラーガソリンを入れ続けていて、久しぶりにハイオクガソリンに戻したとしても、マップはハイオク用になっていますので、何も問題ありません。
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