燃費、パワーはどうなる?
レギュラーを入れてもノックセンサーにより最適なタイミングで燃焼ができるわけですから、アクセルを全開にするような高負荷状態でない限り、燃費が悪化することはありません。
いっぽうパワー、トルクについて。
一般的なハイオク仕様車(96オクタン以上)は、アクセル全開などの高負荷状態の場合には10%程度パワーダウンは避けられませんが(高圧縮になる前に着火するため)、アクセルを半分程度しか開けず、街中を走っている程度ならまったく問題ないと言っていいでしょう。
まずは、ご自身がお乗りのクルマの説明書に、「異なる種類のガソリンを入れたら壊れる」などの記述がないか確認は必要です。
レギュラー仕様にハイオクを入れた場合
ハイオクには(レギュラーガソリンに入っていない)エンジンの清浄剤が入っているため、エンジンをキレイにする効果が見込める。なので、いいことばかり、という認識をお持ちの方も多いはずです。
しかし、2020年7月にハイオクガソリンの成分に関する虚偽記載が発覚。シェルのV-POWERを除くハイオクガソリンには、(汚れをつきにくくする防汚剤とよばれるものは入っていますが)セールスポイントだった清浄剤が入っていないことが判明しました。
ちなみに汚れを付着しにくくする防汚剤はハイオクだけでなくレギュラーにも添加されています。
レギュラー仕様にハイオクを入れるメリットとして、エンジンの清浄効果が謳われていましたが、清浄剤が入っていないハイオクを入れてもその効果は見込めないということになります。
それどころか逆に、前述のとおりハイオクはレギュラーよりも着火性が悪いため、燃焼時にスラッジが出やすく、余計に汚れやすくなる可能性もあります。
スバルの新型レヴォーグの新開発1.8Lターボはレギュラー仕様となっていますが、販売会社でもユーザーに対し、「ハイオクを入れないでほしい」ということを説明しているようです。
これは、ハイオクを入れることで(エンジンが壊れるといったことはないものの)始動性や燃費が悪化する可能性があるからとのことです。高いお金を払ってわざわざリスクを冒す必要はないということです。
レギュラー仕様の古いクルマの場合、燃焼室が汚れていることによって圧縮比が高くなることがあります(スラッジなどにより排気量が小さくなるため)。
この手のクルマは、レギュラーを入れてもノッキングする症状が出るのですが、ハイオクを入れることでノッキングが収まることもあるようです。
レギュラーとハイオクを混ぜて使うのは?
オクタン価90のレギュラーとオクタン価100のハイオクは普通に混ざります。両者を同量ずつ混ぜた場合、オクタン価は95になります。
当サイトでは先日「ハイオクガソリンが入っているガソリンタンクにあとからレギュラーガソリンを入れても、ガソリンタンクの形状によりすぐには混ざらない」と書いた記事を公開しましたが、大変申し訳ありません、取材を重ねた結果、走っていれば普通に混ざるそうです。勘違いしておりました。謹んで訂正いたします。
前述のとおり、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合であっても、アクセルを半分くらいしか開けず、街中を走る程度ならパワーダウンもほとんど心配ありません。
心配なら、ハイオク6、レギュラー4の割合で混ぜると96オクタンはクリアできるはずで、普通のハイオク仕様車の指定オクタン価を満たすことができます。
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