全27台にさまざまな「役割」 トヨタはなぜ箱根に車両を提供?
さて、前項の一覧で車種とともにさまざまな役割が記されているが、これはどのようなものなのだろうか? 箱根駅伝を観たことがある方は、さまざまな形でレースに車両が携わっていることをご存じだろう。
最もわかりやすいのは、2台ある「大会本部車」だ。テレビ中継などでトップを走るランナーの近くを走行する様子が映し出されることが多く、視聴者にとってお馴染みの存在といえるだろう。今回はGRセンチュリーとGRヤリスが務める。
実は、この大会本部車は常に先頭付近にいるわけではない。実施要項にも「大会本部車、緊急対応車、医務車は必要に応じて隊形内を前後する」と記されている。
このほか、今回初登場となるヤリスクロスやGRクロスは「広報車」に起用されている。また、最近では各校の襷をモチーフとしたラインカラーがラッピングされ、監督などが乗り込むことでも知られる「運営管理車」(車種はヴォクシーなど)は、21台が用意される。
さらに「緊急対応車」(3台)など、さまざまな役割があり、それらを合計した競技関係車両の延べ台数が27となる。加えて、テレビやラジオの中継車にはコースターなどが起用されており、こうした幅広い車両を用意できるのもトヨタならではといえそうだ。
トヨタは2003年の第80回大会より、運営車両の一部を提供している。その裏には、今や国民的なイベントに成長した箱根駅伝と学生陸上競技の振興を支援し、自らの限界に挑戦するアスリートの姿を通じて、多くの方々に元気と勇気をお届けするお手伝いをしたい、との想いが込められているという。
今年は、沿道で声援を送ることは叶わないが、こうした情勢のなかでたくさんの元気と勇気を与えてくれる学生ランナーとともに、それを陰ながらサポートするクルマたちにも最大の敬意を払いつつ、テレビの画面に映るその姿を楽しみにしたい。
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