アウトランダーPHEVも早すぎた!? 三菱はなぜ電動化で大成功ならず?? 先駆者の逆襲はあるか

三菱の優れた電動車は出るのが早すぎた!?

 前述のとおりi-MiEVについていえば2008年からまったく変わらないまま2021年まで作り続けている。

 一方、電気自動車技術は日進月歩。開発速度で負け始めていると言われている日産ですら、2010年に発売したリーフと最新のリーフは、同じスペースに容量62kWhの電池を搭載している(初期型は24kWh)。逆に考えたら13年間放置したワケ。

2018年改良モデル・アウトランダーPHEV(全長4695mm×全幅 1800mm×全高1680mm)
2018年改良モデル・アウトランダーPHEV(全長4695mm×全幅 1800mm×全高1680mm)

 アウトランダーで量産したPHEVも、先日エクリプスクロスにモデル追加したものの、基本コンポーネンツは小改良されただけで2013年から8年間使い付けている。

 前述のとおり「毎日進み、1か月経つと1歩先に行く」という状況の電気自動車開発競争のなか、追いつかれ、抜かれ、リードを奪われるのは当たり前だと思う。開発が遅滞した理由の1つは「早すぎた」こと。

 2008年当時、COP3(地球温暖化防止のための京都議定書)で、二酸化炭素の排出量削減は決まっていたものの、日本も世界もドラスティックな変革をする動きになっておらず。日本の場合、二酸化炭素排出量を6%削減すべしと決められたが、その程度ならハイブリッド車の導入で実現できる数値。電気自動車のニーズ少ない。

 軽自動車として考えたら単純に高くて航続距離が短く不便。ということから売れなかったワケです。売れなければ量産効果もなく、モデルチェンジするコストすら出なくなる。

 折しも三菱自動車は不祥事を連発し、アウトランダーPHEVもデビュー直後に電池トラブルを出し生産停止に追い込まれてしまう。そんな悪い流れを断ち切れなかった。

 経営陣にも電気自動車の開発を凍結することに対する危機感がまったくなかったのだろう。

 さらに、経営陣の縮小均衡しか行わない後ろ向きな経営方針により、電気自動車以外のクルマ作りも上手く行かず、会社全体の業績まで落ちてしまう。ゴーンさんの会長就任でやや元気を取り戻し、これからという時に再び旧態依然の経営体制に戻る。

軽EV&新型アウトランダーPHEVも登場間近! 三菱は電動化で逆襲できるか

2021年4月、新型アウトランダーは北米にて発売予定。公式発表はまだないが進化したPHEVも追って投入される見込みだ
2021年4月、新型アウトランダーは北米にて発売予定。公式発表はまだないが進化したPHEVも追って投入される見込みだ

 直近の状況を見るとどうか? 興味深いことにi-MiEVの生産は3月末で終了するが、日産開発の新型電気軽自動車の先行生産を2月上旬から開始した。3月下旬あたりから本格的な生産に向けた準備を開始すると聞く。

 三菱自動車が貯めてきた電気軽自動車作りのノウハウは充分活かせると思う。生産台数増えれば、他の手も打てるようになる。

 また、アウトランダーPHEVの後継モデルもスタンバイしている模様。2030年代半ばから電気自動車になることは確実な世界情勢になっているが、その前の10年くらいハイブリッドとPHVもニーズあると思う。

 ここで台数を確保できたなら、次世代の電気自動車を開発するための資金だって調達できることだろう。まだまだ勝負できます!

【画像ギャラリー】2021年4月に北米で発売!!三菱新型アウトランダー 全10枚

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!