ハーレーダビッドソンのスポーツスターがついに生産終了という情報をキャッチした。これは、1957年のXLから始まった64年の歴史に幕を下ろすことを意味しており、二輪業界やハーレーファンにとって非常に大きなニュースとなる。
スポーツスターはハーレーの中でも価格や排気量が手頃で、国内の交通状況でも使い勝手が良好。今や日本人のためのハーレーと言っていいモデルだ。ファンの多いモデルだけに終了を惜しむ声は大きいだろう。なぜ、スポーツスターはなくなってしまうのか? そしてスポーツスターの後継機はどうなるのか?
文/市本行平、写真/HARLEY-DAVIDSON
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またひとつ名機が消えていく…、人気のフォーティエイトは中古相場も上昇中
ヤマハのSR400が生産終了を発表して大きな話題になったが、またひとつ名機が消えてしまうようだ。空冷Vツインの代名詞であるハーレーダビッドソンの人気シリーズ、SPORTSTER(スポーツスター)が生産終了という情報だ。
スポーツスターシリーズが生産終了になるというウワサは近年絶えずあったもので、今に始まったものではない。しかし、今回はついに確定のようだ。それを裏付けるのが2020年限りでの欧州での販売終了で、日本では2021年がラストイヤーになるという。
すでに2021年も後半にさしかかっており、スポーツスターは新車で手に入れることもままならない状況に。そして、一番人気のスポーツスター フォーティエイトの中古車は、現在新車を優に上回る価格で取引されているのだ。
空冷エンジンではもう規制に対応できない? エボからレボへ移り変わる
ホンダの新型グロムのように空冷エンジンで規制に対応するモデルもあり、一方でCB400スーパーフォアのように水冷でも生産終了がウワサされるモデルもあるので、空冷だから規制に対応できないという訳ではない。
スポーツスターも同様で、ハーレーの上級モデルが採用するミルウォーキーエイトエンジンも基本は空冷。しかし、熱を持つ排気バルブのまわりに冷却のためのオイルやウォーターラインを設置するなど改良を繰り返しているところがスポーツスターと異なる。
1985年以来基本設計を大きく変えていないスポーツスターのエボリューションエンジンは、そろそろ大きくメスが入ってもいい頃合い。上級モデルと同じように空冷+油冷で延命する選択肢もあったはずだが、ハーレーは「FROM EVOLUTION TO REVOLUTION」というキャッチフレーズで、7月13日(日本時間24時)に新型モデルの発表を予告したのだ。
「エボリューション」はスポーツスターのエンジン名、「レボリューション」は新世代エンジンのレボリューションマックスのことであるのは明らかなので、これは、スポーツスターの後継機を水冷エンジンの新型に移行することを示唆しているのだろう。つまり、空冷ツインを改良することはないと言える。
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