■レンタカーやカーシェアにも個人情報漏洩リスクが
「しばらくクルマを乗り換えないから関係ない」とか、「クルマを持っていないから大丈夫」という人であっても安心はできない。レンタカーやカーシェアを使う際にも、先ほど指摘したような個人情報漏洩リスクがあるのだ。
もちろん、大手のレンタカー会社や最新のカーシェアアプリ経由でクルマを借りた時などは、貸し出しされるごとに個人情報が消去されている可能性が高い。だが、クルマを借りて前の使用者の情報が残っていることに気づいた場合は、念のため自分の個人情報は自分で消去するようにしたい。クルマを返却する前、最後に立ち寄った場所が自宅であると推測するのは容易である。
ドライブレコーダーにも気を付けたい。最近のドラレコは室内を録画する機能が付いているものもあるので、自分の声に加えて、同乗者の顔などプライバシー度の高い動画が記録されている可能性がある。カーナビなどから割り出された個人情報とともに悪用されれば、リスクはさらに高まる。
レンタカーやカーシェアなどは、犯罪に悪用されることを防ぐため、勝手にドラレコの情報を消去できないようになっていることが多いが、自分の愛車を売る際は、ドラレコ内のSDカードを初期化するだけではなく、抜き去ってしまったほうがいい。復元技術の進歩で、初期化されたSDカードのデータを復元するのは意外と容易なのだ。
■コネクティッドカーでは走った速度もバレる
先日、個人間でのカーシェアサービスで、あるトラブルがあった。テスラのモデル3を貸し出したオーナーが、借りた人が制限速度の2倍を超えるようなスピードで走っていることをアプリで確認し、すぐにやめるようメールで依頼したという。
テスラなど最新のコネクティッドカーでは、現在クルマが、どんな場所をどれくらいの速度で走っているのかがリアルタイムで判明する。ちなみにテスラでは、車外からアプリ経由でクルマの最高速度を制限するような操作もできる。
レンタカーやカーシェア、コネクティッドカーでは、クルマの走行状況や使用状況を集めてサーバーへ送られているが、これは、あなたがいつどこでどんな運転をしているのか、すべてを把握しているとも言える。
急加速して時速何kmを何時にどこで出したとか、この交差点で急ブレーキを踏んだなど、位置情報と時間、走行状況のデータが保存されている。技術の進歩するにつれ、オーナーの行動すべてが筒抜けになってしまうリスクも高まっているのである。
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これらはすべて可能性の話ではあるが、このような危険がまったくないとは言い切れない。かつて所有した愛車やレンタカーで借りたクルマなどから個人情報が洩れて、予期しなかったトラブルに巻き込まれるようなことがないよう、「クルマは個人情報のかたまり」だという認識を常に持っておいたほうがいいだろう。
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