中国仕向けの新型エクストレイルにも搭載か
日産は、2021年の上海モーターショーにおいて、中国市場向けの新型エクストレイルを発表している。このときも「e-POWER登場か」と注目されていたが、パワートレインに関しては、「VCターボを搭載する」という発表のみで、e-POWER搭載に関するアナウンスはなかった。
しかし、この翌日に、欧州日産はプレスリリースで、「新型エクストレイルではe-POWER搭載車が入手できるようになる」と、e-POWERの設定を明言している。日産が、新型エクストレイルへのe-POWER搭載を明らかにしたのは、これが最初だ。この「エクストレイルe-POWER」はおそらく、日本はもちろん、今後中国市場にも導入されるであろう。
「エクストレイルe-POWER」に搭載されるe-POWERは、欧州の新型キャッシュカイに搭載される1.5LのVCターボを発電専用エンジンとした「e-POWER」と、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3Lの直噴ターボエンジンとなるだろう。
e-POWERシルフィ日本導入の可能性は80%!!
e-POWERシルフィの日本導入に関して、今のところ、日産による明言は一切ない。しかし筆者は、シルフィの日本導入は「80%」程度はある、と予測している。その理由は以下の通りだ。
2年前の5月28日、日産がオンラインで開催した、2019年度決算・事業構造改革計画発表において、日産は「日本市場は電気自動車の拡大(SUVと軽を追加)、電動化(e-POWERもしくはハイブリッド)を25%から60%にまで引き上げる」とし、具体的には、日本市場へ「e-POWER車を6車種、ICE車(ガソリン車)を3車種、EVを3車種導入する」と説明している。
ご存じの通り、日本では、2020年末に登場したノートが、全グレードe-POWER車となって登場した。筆者の予測だが、日本で中国や北米で販売されている(ガソリンモデルの)新型シルフィが導入されなかったのは、ガソリンモデルを導入せず、このe-POWERシルフィだけを導入するためだったのではないだろうか。
さらに内田社長兼CEOからは、グローバルで「Bセグメント、Cセグメント、Dセグメント、EV、スポーツを強化する」という大きな戦略の宣言もされている。e-POWER車は、日本市場へはこれまで、キックス、新型ノートが投入されてきた。
今後、まもなく登場する新型エクストレイルにも搭載されることはまちがいないが、これらを考慮すると、残りの3車種にこのe-POWERシルフィが含まれている可能性は大きく、日本市場導入は秒読みではないか、と筆者はみている。
唯一気になるのは、日本市場でのセダン不人気だ。売れ筋であるコンパクトカーやSUVにも力を入れつつも、カッコいいと日本でも定評のあるシルフィを日本に導入してセダンファンの期待に応えることは、セダンの復権だけでなく、日産の復権にも繋がってくるように思う。日産のチャレンジを期待している。
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