■補助金投入後も上がり続けるガソリン価格
ところが、ガソリンの全国平均価格は値下がりどころかジワジワ上がり続け、まったく効果を見せない。石油業界によれば、「在庫が残っているから下げられない」とか「1月27日から5円以上値上がりしている」などともっともらしいコメントを出し、大手メディアも鵜呑みにしているけれど、デタラメです。
もし、1月27日以前に仕入れたガソリンなら、少なくとも値上げすることなどおかしい。また、1月27日以後の仕入れ価格値上がり額も2~3円。値下がりするハズだ。
なぜ補助金を出しても値下がりしないかといえば、仕入れ価格が安くなっても「ガソリンスタンドが価格を決めている」からだと考えます。
■ガソリンスタンドでの末端価格を決めるのはスタンド自身
そもそもガソリンの末端価格はスタンドで決めている。近所にある同じ系列のスタンドでも最大8円くらいの価格差があるのを見ればわかるとおり、仕入れ価格が下がっても、スタンドが知らんぷりを決め込み、自分の利益にしちゃえば意味なし。
では補助金を25円にしたらどうか? ガソリン価格には10%の消費税も上乗せされているため、経産省がガソリンスタンドをしっかり指導し、すべて反映させてくれたら27.5円下がる効果を持つ。現在170円なら142.5円ということ。
私の家の近所のガソリンスタンドは165円だから、137.5円になるハズ。151円のコストコであれば123.5円! このくらい安くなったら嬉しい!
参考までに書いておくと、軽油や灯油なども同じ補助額です。という意味からすれば、トリガー条項の対象はガソリンだけ。自民党案だと軽油を使う運送業界(排気ガスの浄化に使う尿素水も高騰している)にとっても朗報だと思う。
トリガー条項でも自民党案の補助金25円でも何でもいいから、早いタイミングでガソリンや軽油価格を引き下げて欲しい。そもそも日本のガソリン、税金高過ぎです!
■ポイントは緊迫するウクライナ情勢とガソリンスタンドの経営姿勢
さて。素直に27.5円安くなるかといえば、これまた不透明。ひとつはウクライナ情勢。ロシアがウクライナに侵攻する可能性は依然として高い。ここでドンパチ始まったら、欧州が高い値で天然ガスや原油を買い始めるだろう。
現状、ロシアから需要の25%程度の天然ガスを買っているからだ。原油価格も一段階上がるかもしれません(戦争の規模が限定的な値下がりする)。
もうひとつはスタンドの価格設定。今の価格から20円安くなっただけで自動車ユーザーとしちゃ大満足だと思う。何の疑問も持たず給油すると思う。
その間、スタンドは7.5円を利益に上乗せできる。まあ、スタンドの経営も厳しいだろうから理解はできます。スタンド減ると困るし。この点、ユーザー次第かもしれません。高いスタンドで売れなければいい。
人間の不思議な習性で、多少高くても「いつものスタンド」を選びがち。できれば情報を『gogo.gs』などでリアルタイムの相場情報をしっかり入手し、1円でも安いところで入れるようにしたらいいと思う。
売れゆきが落ちればスタンドの経営者だって価格を考えるようになる。大口需要者も価格の交渉担当を変えるなどして、スタンドとキッチリ交渉すべき。
近所にコストコなどあれば、この機会に会員になるのもよい。平均して近隣のスタンドより15円/L以上安いと思う。4840円の年会費が必要ながら、20km/L走るハイブリッド車でも年間6000kmくらい走るのならモトが取れる(商品も安価だから燃料代以外だって得します)。
近隣に複数のスタンドがないという人口密度の低い地域であれば、次のクルマに電気自動車を考えたらいかがか?
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