安全輸送や若手ドライバー確保にも寄与するAT搭載車
山正物産の生コン製造工場は、生コンをミキサー車に積込む定位置が少し盛り上がっており、後退しながら着ける必要がある。また、地盤の緩い現場で打ち杭工法(空洞の杭を地面に埋め込む工法)などで、約20%の勾配を後退しながら定位置に着けることもある。
その際、MT車では熟練したクラッチワークが必要になるが、日野レンジャーGKミキサーはトルコンATにより発進時のエンジントルクを2.35倍に増幅。熟練したドライバーでなくてもアクセルワークの微調整で定位置への駐停車が容易に行なうことが可能となっている。
山正物産の担当役員は、「かつて骨材を搬入するダンプが、クラッチの操作ミスでMTの内部を破損。車両が長時間停車し、ミキサー車の業務の妨げになったことがあるが、ATはこのようなトラブルを防ぐことができる」とコメント。
さらに「他県で急勾配の坂道をMT搭載のミキサー車が走行中、シフト誤操作から発生した変速ショックの影響で微量の生コンが排出口から道路に落ちてしまうというニュースが発生しているが、このような事故を防ぐためにも変速ショックの少ないATは安心できると考えていた」とも話している。
なお近年、ドライバーの高齢化やドライバー不足が深刻化するなかでAT限定免許のドライバーも増加。AT搭載のミキサー車を保有することが、採用活動にも有利に働いていることから、同社では今後もAT車の導入を進めていきたいとしている。
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