■今のホンダはマネジメント、人事システムの変革が必要
はたして2歩、いや4歩くらい先の電動化車両のために、現在の足元、今ある車種を大量に生産終了していいのか? ホンダOBの元開発責任者、藤原裕氏がホンダにもの申す!
TEXT/藤原裕
シャトル、CR-V、インサイトが生産終了になり、アコードも生産終了が予定されている。すでに生産終了したレジェンドやS660、NSX、アクティを数えると10車種というこの事態は、「次世代の電動化戦略を発表したホンダだから」という理由では許されない。
今のホンダは、ヘッドオフィスが発信するパワーが弱く、世界各極での営業本部に「好き勝手にやらせ過ぎる」弊害が顕在化している。日本営業本部も、しかりである。現状モデルから将来の電動化戦略商品に移行するうえでも、ホンダ本社の商品移行ストーリーが重要である。
2022年4月、ホンダが将来の電動化戦略についての会見があり、詳細な説明があったが、その際、現行モデルの収束ストーリーを説明する必要があるのでないか。
新しい4輪ビジョンに移行する段取りが、極めてラフであり、今までにない事業変更に際して、あまりにもお粗末である。三部敏宏社長は、大きなビジョン提案を実施しているが、それを具体化する優秀なスタッフが活かされていると思えない。
そこで私はホンダOBという立場で提案したい。第一に、地域営業本部を廃止し、ヘッドオフィス主体の事業展開を実施する、第二に、現行モデルから将来の電動化商品への移行ストーリーを立案し展開する、第三に、ホンダブランドの訴求マネジメントをホンダヘッドオフィス主体に、強力に統括する。
特に、現行モデルから将来の電動化商品へのストーリーは、製造メーカーの身勝手な利益判断ではなく、ユーザーお客様の事業、生活を考慮して、極力、迷惑が掛からない領域で進める必要がある。特に、代替のない商品は、重要な判断が必要である。また、将来の電動化商品に移行する上で、スムーズに展開できるようにすべきである。
いずれにしても、新しい時代を準備するうえでは、ホンダのマネジメントと人材育成が最も重要である。その意味でも、従来のマネジメントや人事評価の見直しを実施展開する必要がある。
マネジメントの上では、機能単位の縦割り組織だけではなく、商品機種グループ単位での横割り組織が必要であるが、今のホンダは、横割り組織が私の現役時代に比べて、極めて弱体化している。これらの縦割り組織と横割り組織があらゆる面で、意見を戦わす事で、バランスの取れた判断が培われると思う。
モータリゼーションの変革期の今こそ、ホンダのマネジメントと人事システムの変革が必要であると思う。三部社長、ぜひ商品技術の仕込みだけではなく、ホンダのマネジメント、人事システムの変革を願います。
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