最新テクノロジーを一挙公開!! 世界最大の商用車部品サプライヤーが技術プレビューを開催

商用車における次世代の電動モビリティ

最新テクノロジーを一挙公開!! 世界最大の商用車部品サプライヤーが技術プレビューを開催
2023年の量産化を発表した電動セントラルドライブ「CeTrax 2」

 テクノロジー・デイで世界初公開となった「CeTrax 2」は、大型商用車向けのモジュラー式電動セントラルドライブだ。従来車のエンジンを電動モーターに置き換えるセントラルドライブ方式は、ディーゼル車からの変更点が比較的少なく、車両として成立しやすいという利点がある。

 新型電動ドライブシステムでは、コンパクトなデザインと優れたパワーウェイトレシオを両立した。出力は360kW(馬力に換算すると約490ps)で、効率も改善した。詳細はIAAで公表されるものとみられる。

 ステーターのヘアピンデザイン、組み込みの冷却システム、シリコンカーバイド(SiC)を採用したインバータなど革新的な技術を特徴とするが、これらはZFの乗用車における経験から来たものだという。

 量産は世界的な商用車メーカーの車両に搭載する形で、来年(2023年)を予定している。

 また、トラック(トラクタ)とトレーラをシームレスに連結し制御する技術とシステムにおいて、ヒューリスティック(発見的)な開発ができるのはシャシメーカーにはない強みで、トラクタ・トレーラの双方に最新の安全装置や効率化技術を備える「全車的」なアプローチにより事故ゼロや高い効率性の実現を目指している。

 変革の時代にあって、トラックメーカー同士の競争が激しくなる中、ZFでCVS事業部などの責任者を務めるヴィルヘルム・レーム氏はソリューション事業の価値を次のように話している。

 「商用車開発のトレンドは自動運転、コネクテッド、電動化に向かっています。このためシャシメーカーの開発投資が巨額になっています。弊社の広範な統合ソリューションは、メーカーが開発コストを抑えながら最新技術を利用する機会を提供しています」。

ステアリングの電子化

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自動運転の前提となるステアリングの電子化は乗用車から商用車へ展開する方針

 これは乗用車向けの技術となるが、初めて「ステア・バイ・ワイヤ」システムが公開された。ZFは「バイワイヤ」化(機械式の制御から電気・電子制御への変更)を進めており、この技術では業界をリードする一社だ。

 ZFのステア・バイ・ワイヤは全電動のステアリングシステムで、ステアリングの電子化により、ZFのポートフォリオは車両制御の全体をバイワイヤ化することができる包括的なものになったという。

 ドライバーのステアリング操作を電子的な信号に変換することでハンドルからフロントアクスルまでの操舵系にある機械式リンクをすべて排除した。自動運転技術が進展する中で、車両制御の電子化は欠かせない技術となっている。

 また、この技術をサポートするソフトウェアは無線アップデートにも対応し、このシステムについて既に大手の顧客から受注を獲得しているという。

 ZFのCEOを務めるヴォルフ・ヘニング・シュナイダー氏は、同技術を含めて、乗用車から商用車など車両セグメントを横断する形での技術展開の重要性を指摘する。

 「弊社の各部門は緊密に連携するとともに、相互に技術を移転することで最適化を進めています。ZFの新たなステア・バイ・ワイヤ技術は乗用車の高度な自動運転のための前提となります。そして、『一度開発したものは、どこへでも展開する』(develop once, deploy anywhere)という哲学にしたがって、商用車の自動運転にも適用されるでしょう」。

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