ホンダは7月21日に世界初公開した、新型シビックタイプRを9月1日に発売すると発表した。価格は499万7300円で6速MTのみの設定。
さっそく発表された新型シビックタイプRの概要を紹介していこう。
文/ベストカーweb編集部
写真/ホンダ
■究極のFFスポーツ、FL5型新型シビックタイプRが発売
7月21日に世界初公開され、9月1日に正式に発売となった新型シビックタイプR。今回正式に価格および諸元表が公開されている。価格は499万7300円で6速MTのみの設定だ。先代FK8型シビックタイプRと比べると24万5300円高(475万2000円)だが、500万円を切る価格は良心的だといえる。
さっそく、新型シビックタイプの概要を説明していこう。
エクステリアは、ローアンドワイドを強調し、圧倒的な速さと美しさを兼ね備えたデザインを目指しました。冷却性能向上のためグリル開口部を大きくするとともに、サイドシルガーニッシュやリアスポイラーなどで空力性能を追求しながらも、リアフェンダーをボディと一体化。先代のFK8型と比べるとすっきりとしたデザインが特徴だ。
ボディサイズは全長4595×全幅1890×全高1405mm、ホイールベースは2735mm。先代FK8型に比べ、全長が35mm長く、全幅が15mmワイド、全高が30mm低く、ホイールベースは35mm長くなっている。
インテリアでは、クルマに乗り込むときの高揚感と運転時に集中できる空間を赤と黒を用いてハイコントラストに表現。赤いシートとフロアカーペットを採用し気持ちの高ぶりを演出するとともに、サーキットでの限界走行時においても運転に集中できるように、直感認知性を向上させたノイズレスな視界を追求し、反射を抑えた偏光ガンメタリック塗装を採用するなど、ブラック基調のインストルメントパネルとしている。
インテリア関係の装備類は以下の通り。
●ドライブモードスイッチ(INDIVIDUALモード、SPORTモード、COMFORTモード)
●+Rモードスイッチ
●レブマッチシステム
●TYPE R専用10.2インチ デジタルグラフィックメーター+LEDレブインジケーター
●Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器〈ナビゲーション連動〉
●TYPE R専用データロガー Honda LogR
●アクティブサウンドコントロール
●Honda TYPE Rシート(フロント)〈ラックス スェード(R)〉
●TYPE R専用ステアリングホイール(アルカンターラ(R))
●アルミ製シフトノブ
●偏光ガンメタリック・インストルメントパネル&ドアパネル
●シリアルナンバー入りアルミ製エンブレム
●6:4分割可倒式リアシート(スウェード調)
●アルミ製センターコンソールパネル
■圧倒的な速さを目指し10ps/20Nmアップの330ps/420Nm
FL5型新型シビックタイプの開発にあたり、開発陣は圧倒的なパフォーマンスとドライビングプレジャーを目指し、「Fastest」、「Addicted Feel」、「Secure Feel」をターゲットして開発。
まずFastest(ファステスト):圧倒的な速さの追求として、新型K20C型2L、直4VTECターボは、先代のK20C型をベースにターボチャージャーの刷新などにより、10ps/20Nm向上させ、330ps/420Nmを発生。
エクステリアも圧倒的な速さの追求として、冷却性能向上のためにフロントグリル開口面積を大きくし、ラジエーターの有効開口面積を48%拡大。
さらに、グリル開口部から取り込んだフレッシュエアを、コアサイズとファン能力を向上させたラジエーターに効率良く通し、ボンネットに設けたフードベントから排出するエアフロ―レイアウトとすることで、排熱と空力性能を向上。
また旋回性能を高め車両パフォーマンスをより向上させるため、ミシュランとタイプR専用チューニングタイヤを共同開発。タイヤ幅を265mmまで拡げるとともに、ミシュランの独自技術による特性の異なるトレッドコンパウンドを組み合わせることで、ウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま、優れたドライグリップ性能を実現。
ホイールは、通常に対してインナーとアウターのリム形状を反転させた「リバースリム構造」を採用。ホイールイン側の歪みを低減し、旋回Gや加減速時にタイヤ内側の接地圧を安定させることで、さらなる接地性向上を目指した。19インチリバースリムアルミホイール(19×9.5J)+265/30ZR19 93Yスチールラジアルタイヤ(ミシュラン パイロットスポーツ 4S)との組み合わせとなっている。
■運転に夢中になることのできる痛快なドライビングフィールの追求
次にAddicted Feel(アディクテッド フィール):運転に夢中になることのできる痛快なドライビングフィールの追求。まるで足裏に吸いつくようなアクセルワークを追求するため、エンジンECUの駆動力制御マップなどの緻密な設定により、アクセルペダル開度に対しエンジンレスポンスを向上させ、トルクも早期に立ち上がるようにすることで、アクセル操作に対する駆動力応答性を全域で高めた。
シビックのシャシーをベースとし、タイプRとして細部まで熟成を図るとともに、足まわりの支持剛性を高め、4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御は、車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールするロール・ピッチ制御に、バネ下加速度を加えた制御を行うことで、荒れた路面でも優れた運転操作によるクルマとの一体感とダイレクト感のあるハンドリングを実現。
6速MTは、究極のシフトフィールを目指し新設計のシフトレバー構造を採用。レバーの高剛性化と横方向のレバーのガタつき要素を排除し、ダイレクト感と節度感を向上。また、トランスミッション内部のシフトリンク機構の最適化や、シフトゲートのストレート部分を延長することで、5速から4速といった斜めシフト時のスムーズ感を向上し、すっきりとした操作感をさらに磨き上げている。
またシフトフィールの進化にあわせてクラッチのフライホイールを軽量化し、レスポンス向上を実現しました。それにより、減速操作に合わせてエンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムは、エンジン回転数差が最も大きい2速から1速へのシフトダウンにおいても適用するように進化。
■高速安定性と信頼感の実現
最後はSecure Feel(セキュア フィール):高速安定性と信頼感の実現。限界走行時における安定性を実現するため、フロントとリアともに効果的にダウンフォースを向上させるとともに、ボディの細部形状まで徹底的にこだわることで、優れた空力性能を実現。
また、リアスポイラーは、スリムなアルミダイキャスト製のステーにすることで空気抵抗を低減するとともに、リアスポイラー下面に負圧が発生する面積を拡大しダウンフォースを向上させた。
サーキットでも安定したブレーキフィールを実現するために、2ピースディスクブレーキシステムを先代モデルから継承。マスターパワーの特性を変更し、低速から高速までのさらなるコントロール性の向上を追求している。
また、ブレーキへの導風効率を高めたことで、サーキットでの連続走行時におけるブレーキ温度の上昇を低減し、安定したブレーキ効力と耐フェード性を実現。
■タイプR専用データロガーアプリ Honda LogRでタイム計測ができる
新たなドライビングプレジャーの提供を目指したタイプR専用データロガーであるHonda LogRを車載ナビにアプリとして搭載。自分自身の運転操作によるクルマの機械的な運動情報などをリアルタイムに知ることができ、また、その情報のTYPE Rユーザー同士でのシェアを実現。人とクルマとの新たなあり方を提案。サーキット走行愛好者には最高のアイテムとなりそうだ。
■パフォーマンスモニター機能(見る・知る喜び)
エンジンの水温・油温など車両自体の情報に加え、ステアリング舵角やブレーキ圧、アクセル開度、ヨーレートなど運転操作やそれに伴う車両の状態に関する情報を表示。さらに前後左右のGや、3Dモーション、タイヤの摩擦円をリアルタイムに算出して表示するなど、これまで知ることのできなかったさまざまな車両情報を表示することで、スキルの向上に貢献。
■スコアリング機能(気づき・向上する喜び)
日常の自分自身の運転操作や挙動を知ることが、ドライビングスキルの向上に重要と考え、一般道向けの「Auto Score機能」と、サーキット走行向けの「Data Log機能」の2つの機能を搭載。走行中の車両情報や操作情報を記録しスコアリングを行うことで、ドライビングスキル向上をサポート。
■スマートフォン用Honda LogRアプリ(分かち合う喜び)
スマートフォンにインストールしたHonda LogRアプリでも、走行データをいつでも確認することができる。また、スマートフォンを車両に搭載し、Honda LogRアプリで走行動画を撮影すると、走行データと同期させた1つの動画を作成し、SNSなどでシェアすることも可能。
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