お得に中古車を買いたいけれど、どうせ買うなら名車を安く買いたいというケースも多いはず。特に輸入車は値崩れが大きく、あの頃にあこがれた名車もビックリするような価格で購入できる。
とはいえ中古車市場は相場の潮目も早く、水冷ポルシェのようについ数年前まで安く買えたクルマがあっという間に手の届かない価格帯にいくことも。
そんな輸入車の中古市場で今後数年間で値上がりしそうなクルマを5台集めてみました。乗るなら今のうち!?
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部
■二重窓にV12!? 安く乗れるのは今だけのSクラス
平成の終わりが近くなり、クルマのキーワードは電動化、自動運転を含む運転支援、あらゆる部分の電子制御化、コネクテッドなど、もうクルマが機械モノというよりコンピューターのように感じることばかりである。
もちろんこの動きはクルマによる環境負荷の低減や安全性の向上などを考えれば正しいことではあるが、クルマを趣味の対象と考えると、面白みや整備性などの面でちょっと古いクルマの魅力も浮上する。
そこで当記事では現役時代から面白いクルマだっただけに現代になるとさらに個性が際立ち、いずれ中古車の値上がりも期待できそうな中古輸入車をピックアップしてみた。
【W140型ベンツSクラス(1991年から1998年)】50万円台~
1991年に先代のW126型から12年振りのフルモデルチェンジを受け登場したW140型ベンツSクラスは、世界的に景気が上り坂だった時代に開発されたという背景もあり完成度が凄まじい。
今の基準で見ても「世界最強の1台」といえるクルマだ。例を挙げると標準で全長5120mm×全幅1885mm(ロングボディはプラス100mm)という当時としては巨大なボディサイズ。
直6、V8に加え6リッターV12エンジンの搭載、静粛性向上のための採用した二重ガラスなど、旧世代ベンツの魅力である過剰品質の頂点というべきか、むしろ戦車のようなクルマであった。
それだけに時代が変化する中で”やり過ぎ感”も否めず、失敗作ではなかったものの当時のクルマたちの中でちょっと浮いた存在に見えたのも事実だった。
しかし2010年代に入りクルマの大型化が止まらない時代になると、あれだけ大きかったW140型ベンツSクラスと現行Sクラスのボディサイズは同等で、ならば「一度乗ってみるか」という気も起きる。
その割に価格は安い。流通が極端に少ないV12エンジンを搭載するS600こそ200万円越えと高いものの、それ以外は50万円以下から買える。
ここまで安くなっていれば買った時より高く売れる可能性もあり、この価格で世界最強の1台を経験できるという価値は大きい。
買うならV8エンジンもいいが、現実的な維持費かつパワーがほどほどな分クルマへの負担も少ない280、320といった直6エンジン搭載車を勧める(この頃のベンツの直6エンジンはレッドゾーンまで回すと快音を響かせる絶品だ)。
またW140型ベンツSクラスに世代が近く、クルマの現役時代は団塊の世代の方々の憧れだったW201型190シリーズ、W124型Eクラス、R129型SLクラスといったクルマたちもおすすめだ。
欲しいなら今のうちに乗っておきたい。さらにベンツはインポーターも含め、価格はともかくとして古いクルマの純正パーツ供給が充実しているのも強みだ。
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