トヨタとBMWのコラボレーションによって生まれた新型スープラの発表が迫ってきた。正式発表は2019年1月14日から開幕するデトロイトショーだ。
すでにBMW Z4は2018年8月に正式発表され、すでにメディア向けの海外試乗会も行われている。いっぽうの新型スープラはプロトタイプ車ながら、2018年12月7日に袖ヶ浦フォレストレースウエイにて、メディア向けの試乗会が行われた。
はたして、新型スープラはZ4とどう違うのか、またベンチマークとなったポルシェケイマンやルノーアルピーヌA110を上回るのか?
その新型Z4、新型スープラ(プロトタイプ)の兄弟車および、ケイマンS、アルピーヌA110に試乗した数少ない、モータージャーナリストの渡辺敏史氏が、Z4とスープラの相違点をはじめ、ポルシェケイマンやルノーアルピーヌA110と徹底比較。
さらに、試乗してわかった現段階でのスープラに足りないもの……など多岐にわたって解説する。
文/渡辺敏史
写真/ベストカーWeb編集部
■まずは先に発表されたBMW Z4を徹底試乗!
スープラの市場投入を前ににわかに注目を浴びているのが、同価格帯に収まるだろうと想定されるスポーツカーたち。
なかでもとりわけ近いところにいるのが、2019年秋に欧州で発表されたBMWのZ4、つまりスープラと共同開発された僚友ともいえるモデルだ。
新しいZ4のコンセプトは純然たるスポーツカーとして一本立ちすることにある。 ご存知の通りBMWはM系だけを数えても相当レベルの高いスポーツモデルを幾つも取り揃えるブランドだ。
そのなかで、とりわけ運動性能面が期待されそうなZ4が、先代では耐候性や日常性を優先した重いメタルトップオープンを採用したこともあって、市場ではプロムナードカー的な評価をいただくことになったという。
そんな背景もあって、BMWも次期Z4は運動性能を最優先した妥協のないモデルにしたいという思惑は早くから抱いていたようだ。開発担当者は密かにM2を上回るパフォーマンスを想定していたと話してくれた。
と、そんな話は共同開発を持ちかけたトヨタにとって渡りに船だったことは想像に難くない。そしてBMWにしてみても、トヨタが担保してくれる生産量はZ4を思い切ったキャラクターに振る上で後ろ支えになったことだろう。
僕が欧州で試乗したZ4のグレードはM40i。アダプティブダンパーを搭載し19インチタイヤを履いた、現状選択できる最もスポーティな組み合わせだ。
奇しくも先日袖ヶ浦フォレストウェイで試乗したプロトタイプのスープラも設定的にはほぼ同一。タイヤも同じ、BMWの認証印である星マークのついたミシュランパイロットスーパースポーツを履いていた。
もちろんコイル、ダンパー、スタビライザーの設定は異なるはずだが、現状露出しているスペックから推するに、基本ジオメトリーは両車変わらないというのが僕の見立てだ。
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