日産自動車はアメリカのロサンゼルス地域で、ディーラーへの新車配送用に電動の大型トラックを導入すると発表した。既に新型アリアなどの輸送に活用しているという。日産は販売車両の電動化をさらに進めるとともに、輸送分野など事業の脱炭素化も進めている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Nissan USA
新車のディーラー配送を電動化するのは自動車メーカー初!?
2023年2月24日、日産の北米事業統括会社である北米日産は、米国カリフォルニア州のロサンゼルス地域において、ロサンゼルス港からディーラーへの新車配送に大型のバッテリー電気(BEV)トラックを導入すると発表した。
このBEVトラックはアメリカの重量車区分で最も重いクラス8に相当するトラックで、既に2台が導入され実際の輸送を行なったそうだ。車両はトラクタ(けん引車)なので、従来の車両運搬用トレーラ(キャリアカー)をそのままけん引できる。
メーカーはニコラとケンワースということなので、モデルとしてはニコラ・トレBEVとケンワース・T680Eと思われる。
BEVトラックの導入は、北米日産の輸送パートナーであるアバンギャルド・オートロジスティクス(本社:テネシー州)と協力して行なっている。
これに加えて日産は、自動車運搬船で世界最大手の海運会社で日産の輸送パートナーでもあるワレニウス・ウィルヘルムセンとも提携し、ロサンゼルス港で働くトラックのために充電ソリューションの提供を開始した。
北米日産の副社長でサプライチェーン・マネジメント担当のクリス・スタイルズ氏は次のように話している。
「弊社のビジネス全体でカーボン・ニュートラリティを達成するために重要になっているのが、新車輸送でBEVトラックの活用を模索することです。こうした技術のアーリー・アダプターとなることで、技術革新に向けたスピリットを示すとともに、輸送分野で排出ゼロを達成するという私たちの目標に向けて前進して参ります」。
ディーラーへの新車輸送にBEV大型トラックを利用するのは大手自動車メーカーとしては初めての試みと見られる。日産は2050年までに事業全体のカーボンニュートラルを達成するというコミットメントを掲げている。