トヨタ カムリ終売は日本だけ!? セダン不遇時代に健闘するもなぜ国内撤退?

■海外ではカムリ継続! しかし日本ではもう買えなくなっている

現行型カムリは、国内ではすでにオーダーストップとなったが、海外市場での販売は継続していくとのことだ
現行型カムリは、国内ではすでにオーダーストップとなったが、海外市場での販売は継続していくとのことだ

 日本市場では終売となるカムリだが、海外へ向けて販売するため、カムリの生産は日本で続けられる。

 国内向けの生産は続いているが、これはすべてバックオーダー分であり、2022年からオーダーストップがかかっているカムリは、もう買うことができない。執筆時点で複数のトヨタディーラーを回ったが、新車を注文することは叶わなかった。

 日本国内では、軽自動車・コンパクトカー・SUVが新車販売の大半を占め、国内メーカー各社はセダンの生産終了を次々と発表している。変化する国内需要にラインナップを合わせ、かつてはクルマの王道だったセダンを取り扱わないメーカーも増えてきた。

 海外においても、現在の主流はSUV。セダンは少しずつ人気を落としてきているが、それでも底堅い支持は続いている状況だ。

 加えて、北米市場においては「カムリは壊れないクルマ」というイメージが根強く、カムリブランドが成立している。アジア圏でもカムリの人気は高く、高級車としての確固たる地位を築き上げているのだ。

 世界的に見れば、カムリはトヨタにおけるブランドカーであり、安心して乗ることができる憧れのクルマになっている。まだ、クルマをステータスと考える国の中で、セダンに乗るということは地位の証明であり、生活をしていくうえでの目標なのだろう。

 いっぽうで、日本ではクルマがある生活が当たり前であり、近頃はステータスというよりも生活の道具としての立場が強い。そうなると、セダンよりもワゴンやミニバン、そしてSUVの方が使いやすく、道具としての意味を成す。

 カムリが日本から姿を消すという事実は、日本におけるクルマの存在意義の変化を象徴するものなのだろう。それでも、名車カムリの名は海外で残り続ける。またいつの日か会えることを願い、今は「さようなら」と送り出してあげたい。

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