日常の運転で無意識に行っている行動が、実は交通違反だった――そんな経験はありませんか? 本記事では、見落としがちな交通ルールの「落とし穴」を紹介します。 安全運転のため、そして無用な違反を避けるために、いま一度確認しておきましょう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真/Adobe Stock@xiaosan)
信号待ち中のドライバー交代
日常の運転では、つい見逃しがちな交通ルールがあります。知らず知らずのうちに違反してしまうことも少なくありません。以下に、特に注意が必要な事例をご紹介します。
まずは赤信号で停車中に同乗者と運転を交代する行為は、駐停車禁止場所での停車と見なされ、違反となる可能性があります。特に交差点や横断歩道付近は駐停車禁止区域が多いため、注意が必要です。
愛犬を膝に乗せての運転
愛犬が可愛くてつい膝の上に乗せて運転するという方もいらっしゃいますが、この行為はドライバーの視界を妨げ、ステアリング操作やその他の運転操作を妨げることにつながります。そのため、違反となります。
道路交通法第55条では「乗車積載方法違反」として、運転手の視界やハンドル操作が妨げられるような運転を禁じています。愛犬を膝に乗せての運転はこの法律に違反する行為となり、反則金は普通車で6,000円、中型・大型車は7,000円、違反点数は1点となります。
また、車内でペットを放し飼いにしていたり、走行中の車の窓から犬が顔を出していた場合も違反となります。特に犬が窓から顔を出していると、サイドミラーの視界が遮られてしまうことがあり、大変危険です。
なお、助手席の同乗者がペットを抱えている場合は違反にはなりませんが、万が一の衝突時にエアバッグが作動すると、ペットが骨折や窒息、または車外に投げ出される可能性があります。
後部座席やラゲッジルームにキャリーやドライブボックスを設置することをおすすめします。犬が後部座席で寂しがる場合には、助手席やアームレストに設置できるタイプのキャリーを使用するとよいでしょう。
キー付けっぱなしでお買い物。これって違反?
道路交通法第71条では、クルマから離れる際にはエンジンを停止し、完全にブレーキをかけてクルマを停止状態に保つこと(同条5号)、さらにドアロックをするなどして他人に無断で運転されないようにする措置(同条5号の2)を義務づけています。
キーを付けっぱなしにしたり、ドアロックをしないことは、たとえ短時間であっても違反となります。クルマから離れる際にはパーキングブレーキをかけ、無断運転されない措置を講じる必要があります。
つまり、キーを付けたまま離れることは「停止措置義務違反」に該当し、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)を科される可能性があります。
これらの措置を怠った結果、クルマが動き出したり、盗難に遭って事故が発生した場合、運転者はもちろん、車両の所有者にも損害賠償責任(民法第709条、自賠法第3条)が問われる可能性がありますので、十分に注意しましょう。
また、「エンジンをかけっぱなし」も、ほぼすべての都道府県で条例により禁止されています。たとえば東京都では、大気汚染や騒音、悪臭を防ぐ目的で「環境確保条例」第52条に基づき、アイドリングストップを義務付けています。
義務違反に対する罰則はありませんが、必要な措置を取るよう勧告され、それに従わなかった場合には、違反者の氏名などが公表されることがあります。



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