■ルキノって、いいかも。
続いては日産ルキノクーペ。1994年に当時の8代目B14型サニーをベースにクーペモデルとして仕上げられたカジュアルFFクーペだ。同じ車名を持つルキノハッチは5代目パルサーセリエがベースなので、そこが異なっている部分。まあ、ベース車同士は一応兄弟車だが、専用部品が多いって事情もあった。
当初設定されたパワートレーンはこの手のカジュアルクーペの例に則って、直4の1.5Lと1.8Lのわりとおとなしめのエンジン。初代サイノスよりも車格は上だったのだが、当時のターゲットは20代の若者だったのだ。
このルキノクーペはノッチバッククーペとしては後席が広かったのも美点。事実上、NXクーペの後継モデルとして登場したルキノクーペだったのだが、担当はシンプルなスタイリングがけっこう気に入っていた。
というのもS14シルビアのほか、その先代S13シルビア兄弟車である180SX、R33型スカイラインクーペなど走りを売りにしたクーペがラインナップ上、幅を利かしていたからだ。
個人的には当時の女友達がこのルキノクーペMT車に乗っていて、まったく洗車しない子だったのでそれを担当は不憫に思い、ちょくちょく代わりに洗車していた思い出がある。そういった経緯から、よくこのルキノクーペを運転していたことだけなのだが(笑)。
■ST205セリカの姉妹車だったカレンには3S-GTEは……なしよ
最後がカレンである。セクレタリーカーとしてはやや車格が大きめだったのだが、6代目ST205型セリカがベースの2ドアノッチバッククーペだ。6代目セリカは国内では3ドアハッチバックーペとして販売されていたが、北米ではノッチバッククーペ版も存在した。そのフロントマスクを変更したのがカレンだった。
パワートレーンはST205セリカと同じく直4DOHCの3S-GE系が中心だが、セリカと違って4WD設定はなくFFのみで、ターボの3S-GTEエンジンも設定されなかった。このあたりはカジュアルFFクーペ、そしてスペシャルティクーペとしての性格上からだと思われる。
最上級グレードとして設定されたZSには、セリカと同じくスポーツDOHCエンジンである3S-GE系が搭載され、スーパーストラットサスペンション仕様まで用意されていた。が、やはりメインとなっていたのはハイメカDOHCの3S-FE系だった。
5年半で約4万5000台を販売したカレンだったが、クーペモデル不遇の時代に入ったこともあり、1代かぎりで終了することになった。担当個人の好みとしてはクーペはノッチバックタイプが一貫して好きだっただけにちょい残念だったなあ……。
【画像ギャラリー】バブル期にふさわしいカジュアルFFクーペ! なぜあんなにも魅力的だったのか?(14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方初代サイノスはデザイン良し、オプションだけどTEMSや脱着式ガラスルーフやLSDを選べるなど、装備も意外と豪華なんですよね。
今同様の車を出してもやっぱり売れないでしょうが、走りをしっかり突き詰めれば欲しい人は一定数いると思うんですけどね。