首都高速道路株式会社は2016年度の供用開始を目指して現在横浜環状北線を鋭意建設中。横浜市を環状につなぐ一環で作られているその道路建設現場で見た衝撃の場面とは?
日本が世界に誇れるもののひとつに、建設技術があると思う。例えば、わずか1㎜のズレも許さず高さ634mという東京スカイツリーを建てた高度な技術力。脱帽である。
そしてここでもまたひとつ、日本の建設技術力が存分に放たれようとしている。場所は神奈川県横浜市、平成28年度完成予定の「横浜環状北線」、新設の港北ジャンクション。日時は2月28日の深夜帯だ。
「横浜環状北線」は首都高速1号横羽線と第三京浜道路を接続する全長約8.2㎞の路線。関東圏以外の読者の方にはピンとこないだろうが、この「横浜環状北線」が完成することで横浜市北部(内陸部)と湾岸部との連絡が強化され、物流がスムーズになり、羽田空港にもより早く着けることになるという。
さらに、その先の完成予定の「横浜環状北西線」ともつながれば、東名高速と横浜市の湾岸部が〝直結〟となり、流通や生活、レジャーなどに大きな効果が生まれることは確実。
……などと道路の背景説明をしていたら、目の前で巨大クレーンに吊り下げられた、これまた巨大な物体が現われた。
そう、この長い物体こそが港北ジャンクションの道路の一部となる「橋桁」で、長さは66.5m、幅は6〜8.9m。そして重さは約250t。クレーンを駆使してそれを架設する様子を、首都高速道路(株)による報道陣公開により、目の前で見ることができたわけだ。
メイン写真がまさにクレーンが橋桁を吊り下げ、架設地点へ向けゆっくり動かしている様だ。写真下のほうに大勢の報道人がいるから、奥のほうにあるクレーンと橋桁がいかに巨大なものかがわかる。
そしてこの作業現場の主役ともいえるのが、先ほどから活躍しているクレーン。名古屋に本社がある「ミック」所有の1250t吊クローラークレーンである。
国内最大級のクレーンで日本には3台しかないという。右ページ上にそのクレーンの本体写真と主なスペックがあるが、クローラーの高さが2.6mで、主ブームの長さが96m。この数字だけでも圧倒され、めったに見られないものを見ている喜びも湧く。日をまたぐ時間帯に取材しにきた甲斐があったというものだ。
23時から始まった今回の架設作業は翌朝6時まで及び、7時間かけて橋桁の部分をつなぐ作業まで完了した。日本の技術による高度な建設作業の一端には、巨大なものこそ細やかなワザが必要、ということを強く感じた次第である。
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