■シビアコンディションの場合に必要な整備は異なる?
シビアコンディションに該当する場合に必要な整備は一般的な整備とは異なり、整備項目が基本的には増える傾向にある。
またオイル交換の頻度も増えるなど整備にかかるコストも時間も増える傾向にある。
1.【点検項目が増える】
12か月点検と呼ばれる毎年の法定点検の際に確認する内容が増えると思っていい。トヨタの場合は以下の通りだ。
・ステアリングギヤボックスの取付けの緩み
・ロッド、アーム類のボールジョイントのダストブーツの亀裂、損傷
・ブレーキドラムの摩耗、損傷
・ブレーキディスクの摩耗、損傷
・サスペンションの取付部、連結部の緩み、がた
・サスペンション各部の損傷
・ドライブシャフトのユニバーサルジョイント部のダストブーツの亀裂、損傷
・燃料もれ
シビアコンディションに悪路の走行や山道の走行が多いというのが該当するのを見ると、緩みがあってはいけない箇所やブレーキ関係のより入念な確認が必要になるのはよく分かる。
そのためシビアコンディションに対応した12か月点検を受ける際はマツダの場合クルマのサイズにもよるが、点検料はノーマルコンディションに対し2000円から3000円高となる。
2.【エンジンオイルの交換サイクルが通常の半分になる】
具体的にはマツダの場合(ノーマルコンディション、シビアコンディションともに交換時期は走行距離、時間の経過の早い方)となる。
きっと多くの場合気になるのが、クルマに負荷を掛けていないようにも見える1回の走行距離が短い、低速走行&アイドリングが多いという使い方がシビアコンディションに該当する理由だ。
走行距離が多ければ稼働する部品も増えて整備が多くなるのもわかるが、一般的な人からすると近所のスーパーに行くことがクルマに負荷がかかるとは思えないだろう。
この点についてマツダ広報部に聞いてみた。
「1回の走行距離が短い場合にはエンジンオイルの油温が80℃、90℃といった適温まで上がり切らないケースが多いです。
エンジンオイルに水分が混じりやすくなり劣化が進みやすくなり、シビアコンディションになります。
アイドリング時間が長い場合は走行距離が短くてもエンジンの運転時間は長いため、エンジンオイルの劣化が進ます。
以上の理由でシビアコンディションに該当し、それぞれエンジンオイルの交換サイクルをノーマルコンディションの半分にしています」。
「スーパーやコンビニといった近所に行くためにクルマを使うことが多い」といった使い方は、特にクルマに負担を掛けるような使い方をしていないように見えても、シビアコンディションに該当するクルマに厳しい使い方なのだ。
軽自動車など日常の「アシ」として使うことが多いクルマは、このような使い方になっている場合も多い。
自動車の信頼性が上がり、シビアコンディションで使っていてもすぐに故障になることは少ないかもしれない。
しかし物理的にはクルマには厳しい環境で、部品の劣化も進んでいるというのは間違いない。
シビアコンディションに該当する使い方でクルマを使っている場合には、取扱説明書やメンテナンスノートに沿った定期点検やエンジンオイルの交換をディーラーなどと相談して行ってほしい。
コメント
コメントの使い方