新型スカイラインは「新生日産」を告げる狼煙(のろし)なのか?


 2019年7月16日、マイナーチェンジが発表され、9月からの発売をいまに控える日産のプレミアムスポーツセダン、新型スカイライン。

「マイナーチェンジ」とはいうものの、そして「プロパイロット2.0」の話題が先行している印象があるものの、クルマ好き、何より日産ファンにとっては、今回の発表はもしかすると、フルモデルチェンジ以上の大きな意味合いを持ったものだったかも知れない。

 9月の発売を前に、今回のマイナーチェンジのポイントのおさらいと、発表会で編集者が感じた「日産の変化の兆し」についてお伝えしたい。

※本稿は2019年7月のものです
文:ベストカー編集部/写真:NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月26日号


■マイナーチェンジながら、大きな変化

 結局のところ、クルマにかぎった話ではないのだが、「モノ作り」とは、作り手のハートなんだな、とつくづく感じた。

 インフィニティマークをつけたV37型スカイラインが登場した時、正直言えば「は? これがスカイライン?」と違和感を持った(と同時に日産の国内市場に対する冷たさ)ファンも少なくなかったはずなのだ。

 で、今回のマイナーチェンジはどうか。結論から先に書いてしまえば、“私たちの待っていた「スカイライン」が帰ってきた!”という心境なのだ。

●「スカイライン」専用デザインを採用

いわゆる「インフィニティ顔」をベースにしながら、よくぞここまでのイメージチェンジを実現できたものだ。違和感はない
テールランプの丸く光るLEDでイメージの刷新に成功している後ろ姿
インテリアデザイン自体に大きな変更はないが、今回のマイナーチェンジで「ダイレクトアダプティブステアリング」が全モデル標準装備に

 あくまでも「マイナーチェンジ」なので、V37型の基本的な部分は変わらない。

 だが、今回のマイナーチェンジからは、日本国内仕様に対する明確なメッセージが日産側から伝わってくる。もう、それだけで充分心が熱くなってきた。

 一応『新車紹介的』な部分に触れると、大きなところでは、

・北米向けインフィニティQ50に搭載されてきたV6、3Lツインターボエンジンが搭載。
・306ps仕様に加え、405psを搭載する専用グレード「400R」を設定。
・V6、3.5Lハイブリッドは継続。ベンツ製直4、2Lターボエンジンは、国内仕様では廃止。
・高速道路での手離し運転まで可能とする進化した『プロパイロット2.0』をハイブリッド車に標準搭載。
・進化したコネクテッド技術により、より便利で使いやすく。
・インフィニティエンブレムを廃止し、フロントマスクにはVモーショングリルが採用され、エンブレムは日産のものに統一。

ということになる。

●待望の3L、V6ツインターボ 306ps&405psを搭載

北米向けインフィ二ティQ50には搭載されながら、なかなか国内向けスカイラインに搭載されなかったV6 3Lツインターボがいよいよスカイラインに搭載されることに! 306ps仕様だけではなく、405ps仕様も『400R』に搭載されるのは朗報! 

●405psを搭載「400R」の設定

最高出力405ps、最大トルク48.4kgmを発揮するV6、3Lツインターボを搭載する400Rは552万3120円とハイブリッドGTとほぼ同価格。インテリアデザインもスポーティな雰囲気。フロントグリルのVモーションラインはブラックアウト、ブラックドアミラー、レッドキャリパーなどエクステリアも差別化が図られている

■高速道路での手離しOK!「プロパイロット2.0」搭載

 大きな注目を集める「プロパイロット2.0」について、ここで詳しく取り上げておこう。

 ハイブリッドモデルに標準装備されるプロパイロット2.0は、ひと言で言い表すなら「世界初の高速道路インテリジェントルート走行」。

 ナビとの連動で、ルートガイド走行中の高速道路上で、分岐や追い越しのための車線変更の適切なタイミングをシステムが判断し、ドライバーに提案する。

高速道路の同一車線上であれば、一定の条件を満たすことでステアリングから手を離すことが許容される

 ドライバーがハンドルに手を添えながらスイッチ操作で提案を承認すると、車線変更や追い越し動作をシステムが支援実行するというもの。

 また、高速道路走行中にドライバーが前方注視をし、直ちにハンドル操作をできる条件下において、同一車線内でのハンズオフ《手離し》を可能としたのも大きなポイント。

プロパイロットの操作スイッチは他車と同じくステアリングスポーク部にある

 ドライバーの前方注視をモニターするカメラが装着されており、視線を外した状態が続くとアラートの後にシステムが解除されるようになっている。

 自動運転化に向けた、大きなステップと呼べそうだ。

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