■高速道路での手離しOK!「プロパイロット2.0」搭載
大きな注目を集める「プロパイロット2.0」について、ここで詳しく取り上げておこう。
ハイブリッドモデルに標準装備されるプロパイロット2.0は、ひと言で言い表すなら「世界初の高速道路インテリジェントルート走行」。
ナビとの連動で、ルートガイド走行中の高速道路上で、分岐や追い越しのための車線変更の適切なタイミングをシステムが判断し、ドライバーに提案する。
ドライバーがハンドルに手を添えながらスイッチ操作で提案を承認すると、車線変更や追い越し動作をシステムが支援実行するというもの。
また、高速道路走行中にドライバーが前方注視をし、直ちにハンドル操作をできる条件下において、同一車線内でのハンズオフ《手離し》を可能としたのも大きなポイント。
ドライバーの前方注視をモニターするカメラが装着されており、視線を外した状態が続くとアラートの後にシステムが解除されるようになっている。
自動運転化に向けた、大きなステップと呼べそうだ。
■日産は変わったのか? 期待していいのか?
さて、今回の本題だ。
マーケティング担当の丸池隆史氏は、「スカイラインは常に挑戦をしてきたクルマであり、技術の日産の象徴。走りの象徴でもある」と説明をし、「スカイライン」を名乗る以上は、走りの性能で強力にアピールするものが必要だと力説。
これまで国内仕様に搭載されなかったV6、3Lツインターボの投入を実現し、306psモデルだけではなく、新生スカイラインを印象づける405ps仕様を『400R』の名で投入したのもそんな思いの発露だろう。
日産が推進するインテリジェントモビリティの最先端である「プロパイロット2.0」の初搭載車をこのスカイラインにしたことにも、大きなメッセージを感じた。
ちょっと意地悪な質問をしてみる。
「社内の体制が変わると、こういうクルマが国内マーケットに投入できるようになるんですね!?」
当然直接的な回答は得られなかったが、丸池氏をはじめとする日産開発陣の表情からは、充分に感じ取れるものがあったと思っている。
価格設定もなかなか絶妙。306ps仕様の『GTタイプP』は455万4360円。従来の直4、2Lターボに対して10万~12万円プラスの価格で300psのV6、3Lツインターボが買えるのだ。
これならBMW320iやベンツC180などと価格面で真っ向勝負が挑める。エンジンパフォーマンスはスカイラインが圧倒的なのだから、大きなアピールポイントになるだろう。
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これまでないがしろにされてきたように見えた、スカイライン、日本のユーザーへの扱いへの「変化」が感じられた、今回のスカイラインのマイナーチェンジ。
とはいえ、日産ほどの大きな会社が「変化を遂げる」というのは並大抵のことではない。アライアンスを取り巻く状況も相変わらずシビアだ。願わくば日産という企業体が真に望みたい方向へ向かえるなら何よりだし、その先で日本のユーザーのほうを向いていてくれるなら、こんなに嬉しいことはない。
ともあれ、試乗が今から非常に楽しみな1台だ!
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