2024年10月25日、ダイハツ工業は昨年(2023年)12月に公表した認証試験不正問題に対する再発防止策について、国交省へ3回目となる進捗報告を提出した。合わせてダイハツ工業星加宏昌代表取締役副社長が記者の質問に答えたので、内容を整理してお伝えします。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ダイハツ工業
■開発スケジュールは1.4倍、認証人員は7倍に
ダイハツ工業は、2023年12月に公表した認証試験不正問題に関して、再発防止策を策定、四半期ごとに国土交通省へ進捗状況を提出している。2024年10月16日、「第3回目」となる進捗報告を実施し(第1回は2024年4月25日、第2回は7月26日に提出)、合わせて今回、星加副社長が記者団へ概要を報告。記者からの質問にも答えた。
全102項目における再発防止策のうち、(10月16日時点で)「実施済み」は55項目、「継続して実施中」は39項目、「近く実施予定」は8項目となっている。星加副社長によると、国交省からは、順調に再発防止策が進んでいることが確認されており、次回の進捗報告(2025年1月頃か)ではすべての項目について実施中もしくは実施済になることを期待している、と言われたそう。
公表されている再発防止策には「開発スケジュールを従来比1.4倍とした標準日程を制定」や、「法規認証室(試験グループ)の人員を2023年1月比7倍へ増員」など、今回の認証不正問題の原因(と考えられる開発スケジュールのしわ寄せや認証部門の人員不足)へ直接切り込む内容もあれば、「全従業員に対する、社内PC起動時の毎日1問(コンプライアンスに関する)クイズの実施」などちょっとほっこりする(でも大事な)施策もある。
なお「開発スケジュールを従来比1.4倍」というのは、重要なのは「開発完了」と「認証試験用車両の用意」を切り離した結果を逆算して出した期間比較であり、あくまで目安とのこと。記者が「具体的に、何カ月から何カ月になったんですか?」と聞いてみたが、細かい期間は秘匿事項だという(それはそう)。
次期ムーヴや次期トール(次期トヨタルーミー)など、期待値の高いダイハツ製新型車の発表が待ち望まれているが、今回の不正発覚で開発はいったん仕切り直しているはずだし、もちろんしっかり開発し直していただきたい気持ちも大きい。
この再発防止策によって新車開発スケジュールは大きく変わり、ダイハツはそれほどぽんぽん新型車を発表できなくなるかもしれない(不正発覚前よりも開発期間は確実に伸びるだろう)。それでも「よりよいクルマ」を作り続ければ、自動車メーカーとしての存在意義は高まるはず。たくさんの「小さくていいクルマ」を開発、発売し続けてきたダイハツ工業。信頼回復と再建を待ってます。がんばれダイハツ。
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