芝浦工大教授が開発 画期的な渋滞予測システムとは

 運転中、予想以上の激しい渋滞に遭遇し、後悔した経験はないだろうか? そんな“よくある後悔”を解消するべく、画期的な渋滞予測システムの開発が進んでいる。

 そのシステムを開発したのは芝浦工業大学教授の伊東敏夫氏だ。伊東氏は、あの自動車メーカーにも勤務した経験を持つエンジニア。同氏が開発したシステムとは、どういったシステムなのだろうか。

 文:ベストカー編集部
初出:ベストカー2015年3月10日号


運転中の“後悔”が渋滞予測システムの開発につながった

 編集部 もしもし。芝浦工業大学さんですか? 伊東敏夫教授が考案された渋滞を予測するシステムについてぜひお話を伺いたいのですが。

 芝浦工業大学担当者 少々お待ちください。……それでは○月▲日に、改めてお電話いただければ対応致します。

 編集部 ありがとうございます。

 (……○月▲日)

 編集部 もしもし。ベストカーの者ですが……。

 芝浦工大・伊東敏夫教授(以下、伊東教授) はい。伊東と申します。

 編集部 この度、渋滞予測のシステムを考案されたということで、ぜひどういったものかお聞きしたいんですけれども。

 伊東教授 どうぞ、どうぞ。何からお話ししましょうか?

 編集部 まず、なぜこの研究を始めたんでしょうか?

 伊東教授 もともと私は、2013年の3月までダイハツに勤務していたのですが、同年の4月から芝浦工大の教授になりまして。

 編集部 ダイハツのエンジニアだったんですね。

 伊東教授 ええ。ですので、クルマを運転することはもちろん好きだったのですが、運転していて“後悔”することが私の場合けっこう多いんですよ。

 編集部 後悔……ですか?

 伊東教授 はい。そこで、自分自身のそうした経験もきっかけになって渋滞を予測するシステムの研究を始めたんです。

ドライバーの「3つのクセ」をもとに渋滞を予測

 編集部 なるほど。確かに渋滞に巻き込まれると「こっちのルートを選んでおけば……」と後悔することも多いですもんね。それで、このシステムはどんな仕組みなんですか?

 伊東教授 アクセルの踏みこみ具合、ハンドルの舵角量、そして速度の変化というドライバーの3つの“クセ”によって渋滞を予測するシステムです。

 編集部 ドライバーのクセから、どのように渋滞の発生を予測するんですか?

 伊東教授 ドライビングシミュレータを使って実験を行った際、空いている道と混んでいる道では、被験者の運転の仕方が変化していることがわかりました。

 そこで、その変化のクセをコンピュータに学習させ、渋滞を予測する仕組みのシステムを考案しました。

 編集部 実用化はいつ頃の予定ですか?

 伊東教授 まだ具体的な時期は決まっていないんですが、2、3年後になると思います。

 編集部 おお!! けっこう近い話なんですね。

 伊東教授 システムの実用方法としては、カーナビに迂回経路を提案するような形になると思います。

 このシステムの場合、センサーを追加する必要がなく、新しいインフラを整備する必要もないので、コスト面でも実用化のハードルは高くないと思っています。

 編集部 それは、ユーザーにとっても嬉しいですね。

 伊東教授 はい。お問い合わせもいただいているので、今後はメーカーさんと共同研究する方向性になると思います。


 伊東教授によれば、ドライバーの運転の変化を見抜くことは、事故の予防にもつながるとのこと。本記事の取材を行ったのは2015年2月で、それからまもなく2年が経過する。

 現時点では実用化に関する発表はないが、研究開発はその後も進められている模様。このシステムの利点はインフラ整備の必要がなく、コスト抑制も見込める点。

 今後の実用化に向けた動きに期待したい。

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