京都府向日市の永守重信市民会館で、2026年2月2日(月)、「ZET-summit2026」が開幕した(2月3日(火)まで)。脱炭素テクノロジー(ZET)を社会実装へつなぐことを主眼に、産・学・公が一堂に会する国際サミットで、オンライン同時配信も実施。京都府が掲げる「ZET-valley構想」の文脈の中で、EVやバッテリーといったモビリティ領域はもちろん、物流・素材・エネルギーなど周辺産業まで含めた脱炭素社会への道のりを議論する場だ。初日は実行委員会メンバーが顔をそろえ、10:00からは「ゼロエミッション物流」をテーマに基調講演が行われた。
文:ベストカーWeb編集部、画像:ZET-summit実行委員会、ベストカー編集部(アイキャッチ写真は開幕の挨拶をする西脇隆俊京都府知事)
【画像ギャラリー】京都発「脱炭素技術を社会実装へ」の祭典、ZET-summit2026開催(9枚)画像ギャラリー京都発ZET-valley、4回目のサミット開幕
2026年2月2日(月)午前9:30、向日市の永守重信市民会館で「ZET-summit2026」が開幕した。来場は無料だが事前登録制で、会場とオンラインLIVE配信を併用する「ハイブリッド開催」。会場となるホールは475名規模で、AI同時通訳(日本語/英語)も用意されるなど、地域発の取り組みでありながら、最初から国際会議の設計思想が見える。
「ZET-summit」の狙いは明快だ。国内外の脱炭素テクノロジー(ZET)関連スタートアップとの協業や、まちづくり・地域産業への技術実装をテーマに、産・学・公の関係者が集まり「新たな交流と共創が生まれる場」をつくる。京都府が掲げるコンセプトは「石油から空気へ、地方が最先端へ、制約から拡張へ」。ゼロカーボンものづくりを核に、地産地消型社会への転換を目指す「ZET-valley構想」の一環として、このサミットが位置づけられている。
「新技術を社会実装する場づくり」が絵空事でないことは、数字が示す。公式サイト上でも、これまで参加国は10カ国以上、スタートアップとのビジネスマッチングは累計1,000件超とされ、今回で4回目。前回参加者はオンライン含め2,561名という。脱炭素の議論は、どうしても「理想」や「規制」の話に寄りがちだが、ZET-summitは最初から「商談」と「実装」を真ん中に置いてきたイベントだ。
1日目にあたる「DAY1」の午前は、象徴的な顔ぶれで幕を開けた。9:30〜のオープニングに登壇したのは、京都府知事・西脇隆俊氏、向日市長・安田守氏、西日本旅客鉄道(JR西日本)社長の倉坂昇治氏、京都銀行頭取の安井幹也氏。ZET-summit実行委員会を構成する4者が並んだ。
西脇府知事は実質的な開会宣言と2026年から始まる新しい動き「ZET-college」の紹介、JR西日本の倉坂社長はJR京都線「向日町駅」の駅舎開発の進捗、京都銀行の安井頭取は向日町駅前に2025年にオープンした「ZET-BASE KYOTO」の案内を語った。
個人的に印象的だったのは向日市の安田市長。
「向日市は森林面積が少なく、向日市内にある森林では、(向日市内から排出されるCO2の総量の)2日ぶん(年間365日中)のCO2しか吸収できません。これを解決するためにはテクノロジーの力を使うしかない。こういう場所で、脱炭素テクノロジーを進めることに意義を感じております」
カーボンニュートラル技術の発展がいかに喫緊の課題であり、それぞれ事情が異なる地域での同時多発的な展開が重要なのか、よくわかる挨拶だった。
また、技術分野だけでなく、都市(行政)と交通(鉄道)と金融(銀行)が同じテーブルにつくことで、規模の大きい社会実装がようやく現実味を帯びる。そんなメッセージが、壇上の並びからも伝わってくる。
10:00からの基調講演は「ロジスネクストが創るゼロエミッション物流の未来」。登壇したのは三菱ロジスネクストの間野裕一社長CEOだ。
国内2位、世界5位の物流輸送機器メーカーである三菱ロジスネクストは、京都府に本社を置き、フォークリフトなどを開発・製造・販売するメーカー。脱炭素と聞くと乗用車の電動化に注目が集まるが、現実には、工場〜倉庫〜港湾〜ラストワンマイルまで、モノが動く限りCO2は出る。そうした中で物流の脱炭素を語ることは、モビリティにおける議論を一段上に引き上げ、「社会全体の移動効率」を問い直すテーマでもある。
間野社長によると、フォークリフト業界でも電動化(BEV)、燃料電池車(FCEV)の導入が始まっており、さらに誘導レーダーを使った自動化(無人運転化)も進んでいるという。
この先、DAY1ではEV・バッテリー・バイオものづくりなど脱炭素テクノロジーを扱うトークセッションが続き、DAY2は国内外スタートアップのピッチや、大企業によるリバースピッチ、商談ブースが用意される。
議論だけで終わらせず、実際の協業へ持ち込むための導線が、プログラム全体に組み込まれているのがZET-summitらしさだ。今日の基調講演を起点に、どんな“具体解”が共有され、どんな共創が生まれるのか。ベストカーWebとしても、モビリティ産業の未来を読むうえで気になる2日間になる。
また、「ZET-summit2026」連動イベントとして、2月3日(火)11:00〜12:00に、向日市のZET-BASE KYOTOで「京都モビリティ会議2026」が開催される。
テーマは「自動運転の最前線」。日産 総合研究所 モビリティ&AI研究所の木村健氏を招き、ベストカー編集局と若者が「自動運転がもたらすモビリティの未来」を語り合う(会場参加に加えYouTube Live配信も予定)。同会場では“食”をテーマにした脱炭素体験イベント「ZET-college」も同時開催(10:00〜16:00)とのこと。ZET-summitで得た刺激を、次世代モビリティの議論につなげる導線として、お時間ある方はぜひお立ち寄り&ご視聴を。
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