ベストカーの国沢光宏氏の連載『クルマの達人になる』。連載回数478回を数える人気の連載だ。
今回は4月から始まったラグビーワールドカップナンバーについて。実はこのナンバー、有料ではあるが軽自動車に白ナンバーを付けられるのだ。しかし国沢氏はそこには隠されたテーマがあると指摘する。
文:国沢光宏/写真:池之平昌信 (ワゴンR走行写真)
ベストカー2017年5月10日号『クルマの達人になる』第477回
そもそもナンバーの色を変える必要はあるのか?
4月3日から軽自動車でも7000円上乗せするだけで白色のナンバープレートを付けられるようなったことは(すでに登録済みの車両も含む)、案外知られていない。そもそも黄色のナンバープレート、存在感強すぎると思う。
クルマのデザインに与える影響だって大きい。雑誌の撮影などで、いわゆる化粧プレートを付けると軽自動車の雰囲気もググッと変わってくるほど。
自動車を道具だと割り切ってる人たちにとっちゃどうでもいいことだろうけど、クルマ好きなら興味深い。
そもそも(この軽自動車でも付けられる)白ナンバーは日本で2019年に開催されるラグビーワールドカップを記念して作られたもの。
申し込むのも簡単。これから軽自動車を購入するなら、ディーラーや中古車屋さんにラグビーワールドカップ2019の記念ナンバーにしてほしいと7000円上乗せすればOK(手数料を含む金額は地域によって違う)。
すでに軽自動車を所有しているなら、軽自動車検査協会のWebから申し込みをすると10日間程度で完成。
軽自動車の場合、車体後部の封緘が不要のため、書類+古いナンバープレート外して検査協会に持っていくだけで、ラグビーワールドカップ2019の小さいエンブレム付き白ナンバーを交付してくれます。
もちろん現在使っているナンバーと同じだから、ETCや個別の駐車場契約に代表される変更の必要無し。このタイミングで希望ナンバーにしちゃうという手もある。
デザインやカラーリングも登録車と変わらない今日の軽自動車。しかしナンバーの黄色の主張があまりにも強く感じることも多い
実はこの制度に隠された目的がある!?
ここからは邪推です。なんで軽自動車に白ナンバーなんだろう? 高速道路や有料道路の料金収受ゲートの人達など基本的ナンバープレートの色で車種を判断している。
先日、白いナンバー付いてるスバル360で(昭和49年以前に作られた軽自動車は小型の白ナンバー)高速道路や有料道路を走ったら、見事に漏れなくすべての有人料金所で車種確認されたほど。
1度なんか普通車料金が表示されたので「これ軽自動車なんですけど」と言ったら「ナンバー白いですよね」だって。
スバル360より大きい軽自動車だと、少なくともナンバープレートだけだと軽自動車か普通車か判別出来ない。
まぁ100歩譲って今やETCなので、大きなトラブルにゃならないでしょうが。考えてみたら軽自動車も普通車も制限速度など同じ。
今や道交法の視点からすると、軽自動車と普通車を区分する理由はないということなんだろう。高速道路の料金は発券時にボディサイズなどで軽自動車を判別してる。料金払う時の係員が再確認しなければいいだけ。
おそらくその先には軽自動車の自動車税改定が控えている。TPPのためという理由で軽自動車の税額変更を企てていたのに、トランプ大統領の就任で見通し立たず。
いっぽう、財源確保のため何としても軽自動車の税額アップをしなくちゃならない。今後、普通車と軽自動車の違いを徐々に無くしていき、そう遠くないタイミングで自動車税の軽自動車区分を無くそうとしているんだと思う。
覚悟だけしておくべきかと。
■ラグビーワールドカップナンバーについては国土交通省のホームページもご参考に
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