■提携で三菱が加わり、中国での生産も加速!
2018年1月30日、各メーカーから2017年の年間販売台数が発表された。
日産・ルノー・三菱は3社連合の提携後初めての暦年販売台数となり、合計1060万8366台を記録。世界1位となるVWグループ(1074万1500台)には及ばなかったものの、トヨタグループ(ダイハツ、日野含む)の1038万6000台をしのぐ世界2位を記録した(速報値のため暫定)。
アライアンスの会長兼CEOであるカルロス・ゴーン氏は、
「2017年に1060万台以上の乗用車およびLCV(小型商用車)を販売したことで、ルノー・日産自動車・三菱自動車は世界一の自動車グループとなりました。この成長は、アライアンスのモデルラインアップの幅広さ、グローバルな市場プレゼンス、そして魅力的な自動車技術などによるものです」
と述べている。
「日産ブランド」に限ってみても、海外生産が8年連続で前年実績を上回り、1~12月累計として過去最高を記録。中国市場でも前年実績を上回り、1~12月累計として過去最高を記録している。
■日本のグループ販売シェアは6.5% 「日産」は9.6%
ここで、日産・ルノー・三菱グループの「日本市場離れ」についても指摘しておきたい。
同グループ3社は世界に10ブランド(ルノー、日産、三菱、ダチア、ルノー・サムスン、アルピーヌ、ラーダ、インフィニティ、ヴェヌーシア、ダットサン)を展開しており、約200カ国で自動車を販売している。
今回記録した年間販売台数約1060万台のうち、日本市場で販売したのは68万9650台。これは同グループ内における約6.5%にあたる。「日産」ブランドのみに絞ると、日本市場の販売比率は9.6%。ちなみにトヨタグループ(ダイハツ、日野含む)の日本市場での販売比率は22.4%におよぶ。
(なお、日本市場全体における日産・三菱・ルノー車の販売シェアは13.2%)
もちろん、日本にゆかりの深い企業グループが新たに世界2位を獲得したことは大変喜ばしいことだ。今後も潤沢な開発力と幅広い市場拡大効果で、魅力的な新型車や革新的な技術開発に取り組んでゆくことが期待できる。
ただこうした日本の販売シェア(や影響力の縮小)を考えると、今後、同グループの新型車開発や販売戦略において、日本市場に向けた商品や影響力は、徐々に縮小していかざるをえないだろう。
それが少し、不安でもある。
なおトヨタは、同社の暦年販売台数としては過去最高を記録したものの(前年比2.1%増)、中国市場での伸び幅が少なかったため3位に後退することとなった。同社首脳は「成長は必要だが、規模は追わない」と発言しており、次世代技術車の開発や普及に注力する、としている。
※本記事メイン画像はデトロイトショー2018で発表された、日産の今後のSUVデザインテイストを示すコンセプトカー「X motion」
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