■乗り心地はよくなるかもしれないが要注意
メリットとして期待できるのは、まずは乗り心地でしょう。これも選ぶタイヤ次第なところはあるのですが、タイヤのサイドウオール全体がクッションに使えるので、とくにギャップや段差を乗り越えタイヤが大きくたてに変形した時のショックなどは緩和され良くなる方向にあります。
ただしデメリットでも触れましたが、低速でのごつごつ感は増えるかもしれません。
操縦性も良くなることが期待できます。先にギクシャクした操縦性の可能性も指摘しましたが、タイヤ全体がしなりながら横Gを受け止められるようになるので、タイヤのしなやかさが出てきます。
また、装着するタイヤをたくさんの選択肢の中から選ぶことができるので、自分の志向に合ったタイヤを選びやすくなります。
……といったことがメリットとして考えられます。
つまりメリットとデメリットは表裏一体で、タイヤを交換することがよく出ることもあれば、悪く出ることもあります。選ぶタイヤによっても違いますから、一口によし悪しが言えないのです。
もし自分がランフラットタイヤ装着車を買ったとしたら、たぶんタイヤは履き換えると思います。その際はサスペンションキット(ダンパー/スプリングユニット)も組み込んで、タイヤに合わせたセッティングにしてしまうと思います。
メーカーではランフラットタイヤを採用するに当たって、マッチングを図ったり、それで得られるメリットを性能面や安全面に盛り込んだりしているはずなので、それを交換するということは、多少なりともリスクがあると考えるのがいいと思います。
例えばGT‐Rは発表当初、ニュルでは縦Gが4G出るのでそれに耐えられるようにランフラットにした、と聞いた記憶があります。
真意のほどは定かではありませんが、そこまで考えると自分自身の判断でタイヤを履き替えることはあっても、他人には勧めることはできませんよね。
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