【ダイハツロッキー復活!!】ホンダと三菱に見る車名復活の成否

 車名は本当に難しい。子どもの名前を付けるのに苦労した経験をお持ちの方もいると思うが、車名でそのクルマの運命が決まってしまうこともある。

 新型車が登場するにあたり、車名の付け方として(1)車名を継承する、(2)車名をまったく新しいものに変更する、(3)車名を統一する、(4)車名を復活させるという大きく分けて4パターンが存在する。

 最近でいえば、車名をまったく新しいものにするのはマツダデミオ→マツダ2、車名を統一するのはトヨタヴィッツ→ヤリス、復活させるのはトヨタスープラがある。

 今回は車名を復活させたケースについて見ていきたい。

 東京モーターショー2019に出展され間もなく発売されるダイハツの小型SUVは、往年の車名であるロッキーの名前が復活する!!

 日本メーカーが車名を復活させたケースは数あるが、得意としているホンダと三菱の車名復活モデルについて見ていく。

写真:HONDA、MITUSUBISHI、ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】ダイハツの小型SUVでロッキーの車名が復活!!


三菱ミラージュ

スラントしたノーズがスポーティイメージとなり、70年代のコンパクトカー激選時代を生き抜きユーザーに認知された初代ミラージュ

 初代ミラージュは1978年にデビュー。三菱の最量販車種として一躍人気モデルとなった。2代目はエリマキトカゲのCMで話題になったのも懐かしい。

 基本はハッチバックとセダンだったが、代によってはワゴン、商用バン、クーペ(アスティ)とバリエーションも豊富に揃えユーザーのニーズに応えた。モータースポーツ用の競技ベース車両をラインナップするなど、マニアからも高く評価されてきた。

三菱はモータースポーツにも力を入れていたため、ミラージュには手頃かつ戦闘力の高い競技ベース車がカタログモデルとしてラインナップしていて人気だった

 しかし5代目が2000年に生産中止となり、22年で歴史に幕を下ろすことに。

 そのミラージュの車名が復活したのは、2012年で、タイで生産しグローバルに販売していたミラージュを日本に正式導入。これにより12年ぶりにミラージュの車名が復活した。

 三菱では初年度の販売計画を3万台としていたが、実際に売れたのはその半分程度と販売面で苦戦。燃費のよさとライバルに比べて買い得感の高い価格設定を売りにしていたが、地味なエクステリアが災いして埋もれてしまった。

 2015年のマイナーチェンジをはじめ、細かく手を入れたり特別仕様車の設定などを積極的に展開、エクステリアも質感を大幅に増しているものの残念ながらライバルが強すぎて苦戦が続いている。

2012年にタイで生産のミラージュを日本導入開始。燃費がよく、運転しやすくかつ価格設定が安かったのでヒットが期待されたが苦戦
2015年のマイナーチェンジでガラリとスキンチェンジ。ヘッドライト、グリル回り、バンパーなど新設計となり質感は大いに高まった

三菱エクリプス

1989年にアメリカで販売を開始。その翌年から日本に導入されたが、左ハンドルのみの販売となった。当時の日本車よりも大きかったのも苦戦の要因

 三菱のスペシャリティクーペのエクリプスは、1989年にアメリカでデビューし、日本ではアメリカで生産されたクルマを輸入する形で1990年から販売を開始(左ハンドルのみ)。

 2代目は映画『ワイルドスピード』に登場してアメリカで大人気となり、日本にも導入されたが、日本での販売は伸ばすことができなかった。

 3代目は左ハンドルのスパイダーのみが日本で販売されたが、2006年に販売終了となり日本での17年でエクリプスの車名は消滅することになった。

3代目はクーペとオープンのラインナップだったが、日本で販売されたのは左ハンドルのスパイダーのみ。アメリカ仕様を日本用に一部手直しして販売

 そのエクリプスの車名が復活したのは、2018年で、クーペ&オープンではなくSUVとして復活。車名はエクリプス+クロスでエクリプスクロスと命名された。

 エクリプスクロスはその流麗なエクステリアが魅力のSUVで、コンセプトはSUVとクーペのクロスオーバーということでエクリプスクロスとなったわけだ。クーペルックのSUVが増えてきているが、独特の存在感を放っている。

 このエクリプスクロスは三菱のグローバルSUVとして数多くの国で販売され、日本でもブランニューモデルながらそのカッコよさから急速に認知されている。なじみのある名前ながら、新たに新しい車名も好評だ。

日本車のSUVは数多く販売されているが、その中でも1、2を争うカッコよさと評判が高い。走破性に優れ、ディーゼルもラインナップし人気は上々だ

ホンダインサイト

贅を尽くしたオールアルミボディ、エアロダイナミクスの追求、軽量化のための2シーターと世界ナンバーワンの燃費実現のために市場投入された初代インサイト

 初代インサイトがデビューしたのは1999年で、世界最高の燃費性能を実現するという目標を具現化したモデルで、実用性や開発コストを度外視した燃費スペシャルだ。そのため万人受けするクルマではなく2006年に生産中止。

 2代目は2009年にデビューして2014年に生産中止。

当時の福井威夫社長の肝いりで、ハイブリッドを安く提供する、と宣言して2代目インサイトを投入。3代目プリウスが同価格で登場させて一気に販売を落とした

 そして3代目が2018年に二度目の復活デビューを果たした。

 それにしてもインサイトは、二度の消滅、二度の復活と世界的に珍しいクルマと言える。しかも、3代のモデルともハイブリッドという共通項はあるが、初代は2シータークーペ、2代目は5ドアハッチバック、最新の現行3代目は4ドアセダンと、すべてボディ形態が違っている。

 ここまでインサイトという車名にこだわるホンダの意図は何なのか? ホンダの七不思議のひとつである。

スタイリッシュなミドルクラスサルーンとしてインサイトが復活を遂げた。インサイトとは別の名前で出さなかったのはホンダの意地!?

ホンダS

もはやホンダというよりも日本車の伝説のクルマの1台で、ホンダのSシリーズはファンの心を熱くさせてきた。ホンダスピリットの源流(写真はS800)

 ホンダの特別な車名であるS。ホンダS360→S500→S600→S800と進化を続け、ホンダのスポーツモデルの象徴として大切にされてきている。

 そんなこともあり、特別なモデルにしか付けられていない。

ホンダ創業50周年を記念するモデルとしてデビューしたS2000。デビュー当時はオーダーが殺到し、東京都内などでは納期が2年近くなったがすぐに沈静化

 最初に復活したのは、ホンダの創業50周年を記念するモデルとして1998年に発表され1999年から販売を開始したS2000。S800が1970年に生産中止となってから途絶えていたホンダのSが29年ぶりに復活し、ファンは狂喜乱舞で熱烈な歓迎を受けたものの、2009年に生産中止となった。

 そして2度目の復活となったのが軽オープンスポーツのS660で2015年にデビュー。

ホンダS660は現代に販売していることをホンダを褒め讃えたい。N-BOXのように売れるクルマではないが、存在することに意味のある数少ないクルマだ

 Sの名を関したS2000、S660に共通するのは、発売当初は爆発的人気で長い納期で中古車にプレ値が付くなどするが、オープン2シーターという特殊なクルマゆえ、数の出るクルマではないので沈静化した後が厳しい(S660はいまだに人気を堅持)。

 ただホンダが作ったこと、存在することに意味があるクルマという点は同じ魅力だ。

ホンダN

N360はFFレイアウトを採用することで広い室内を実現。それよりも当時は2ストが一般的だった軽自動車で4ストのハイパワーエンジンを搭載しライバルを焦らせた

 ホンダのNの元祖は、1967年にデビューしたホンダN360だ。RRが主流だった当時に画期的なFFレイアウトを採用し、広い室内とハイパワーエンジンを搭載して大人気。瞬く間に国民的ヒット車となった。

 N360はNII→NIIIと進化し、NIIIをベースにした軽スペシャルティクーペが『水中めがね』の愛称で有名なホンダZだ。

 大人気のN360だったが、1972年にライフにその座を譲り1代限りで絶版となった。

復活した新生Nは、バリエーション豊富。N-BOX、N-WGNは第2世代モデルに突入。ホンダが軽自動車を本気で作り始めて軽自動車の品質が大幅にアップ

 そのホンダのNが復活したのは、2011年に『New Next Nippon Norimono 』を開発コンセプトに掲げたN-BOXによってだ。

 その後は2012年N-ONE、N-BOK+、2013年N-WGN、2014年N-BOXスラッシュ、2018年N-VANとNの車名は拡大採用され、現在ホンダの軽はフルラインNとなっている。

 その新生Nにおいてけん引するのはN-BOXで、N360を凌駕する販売をマーク。N360は革新的技術、発想が盛り込まれて人気になったが、新生Nは、軽自動車にホンダの乗用車クォリティを持ち込み、その結果、軽自動車全体の底上げとなったのは大きい。

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ダイハツは予告もなく東京モーターショー2019で新型SUVのロッキーを世界初公開。全幅1695mmの正真正銘のコンパクトSUVだから期待感大

 ダイハツが2017年の東京モーターショーで出展していた小型SUVのDNトレックの市販モデルが東京モーターショー2019で世界初公開された。

 ダイハツサイドでは車名については非公表としていたが、調査によりかつて存在したダイハツのコンパクトSUVのロッキーの車名が復活することが決定!!

 気になるスペックは下表のとおり。最近は1780mmの全幅でコンパクトSUVと言われるなか、全幅1695mmの5ナンバーサイズの正真正銘のコンパクトSUVということで期待感は大きい。

 大注目のダイハツロッキーの発表は2019年11月7日となる。

【画像ギャラリー】ダイハツの小型SUVでロッキーの車名が復活!!

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