【スポーツカー以外でも少数派】フロントにエンジンを搭載していない乗用車5選

初代トヨタエスティマ

販売期間:1990~2000年

コンセプトカーがそのまま市販されたようなインパクトがあった初代エスティマのエクステリア。先進的ミニバンは世界をアッと驚かせた

 1989年の東京モーターショーに参考出品され、1990年にショーモデルそのままといっていい斬新なエクステリアでデビューしたのが初代エスティマで、日本だけでなく世界に衝撃を与えた。

 1BOX系モデルはフロントの車軸前または運転席下にエンジンを搭載するのが当たり前だった時代に、2列目シートの床下あたりにエンジンを配置するミドシップを採用。フロアのフラット化のためにエンジンを横に75°寝かせて搭載するなど工夫が凝らされていた。

 トヨタ自ら『天才タマゴ』というキャッチコピーを使ってエスティマの凄さをアピールしたのも頷ける画期的具合だったのだ。

当時の1BOXカーの常識を覆すミドシップレイアウトは、エンジンをフロア下で75°オフセットして搭載。これによりフラットフロアが実現した

 ただ、当時の日本は5ナンバーが主流だったこともあり、エスティマの販売は思うようには伸びなかったが、5ナンバーサイズに『縮小』したルシーダ/エミーナが大ヒット。

 しかし、ミドシップレイアウトはコストがかかるということで、2代目エスティマではFFレイアウトに変更されたと同時に、ルシーダ/エミーナは絶版となってしまった。

3代目ルノートゥインゴ

販売期間:2014年~(日本での販売は2016年~)

初代、2代目ともFFレイアウトだったが、現行はRRレイアウトで登場したトゥインゴ。全長は短くしたものの室内は広くなり魅力アップ

 ルノーのベーシックコンパクトカーとして日本でも初代から販売されていて人気が高いモデルで、初代、2代目がFFだったのに対し、3代目の現行モデルはRRとして登場。

 全長3590×全幅1640×全高1550mmのコンパクトなボディサイズは狭い道の多い日本での使い勝手もバッチリ。実は全長を2代目から100mm短くしながらも、室内長は130mm長くして広い室内を実現できたのもリアにエンジンを搭載したから。

ラゲッジ下にエンジンを搭載するためフロア自体は高くなるが、使い勝手が悪いわけではなので大きな不満にはならないレベル

 RRのデメリットとして直進安定性がよくない、コーナリング時がシビアなどが挙げられているが、サスペンション技術の進化によりこのデメリットを解消し、街中でのスムーズかつスタビリティの高い走りを実現している。

 クルマが高くなっている現在で、輸入車で198万6000円から購入できるプライスもエントリーモデルとして乗るにはかなり魅力的だ。

スマートフォーツー&2代目フォーフォー

販売期間:1998~2007年(初代)、2007~2014年(2代目)、2014年~(3代目)、2014年~(現行フォーフォー)

初代スマートの全長2500mmの超ショートボディを実現するためにはRRレイアウトが必須だった。RRはスマートのアイデンティティだ

 コンパクトカーで広い室内スペースを確保できるというものがRRの最大のメリットだが、その恩恵を最も受けているのがスマートだろう。厳密には極小のボディにするためにはRRが必須なのだ。

 スマートフォーツー(初代のシティクーペ時代を含む)は、初代、2代目、現行の3代目ともRRを採用している。

 小さなクルマの代名詞とも言えるスマートフォーツーだが、モデルによって大きく進化しているのがわかる。それが如実に出ているのがボディサイズだ。

■初代:全長2500×全幅1510×全高1500mm、ホイールベース:1810mm
■2代目:全長2690×全幅1560×全高1540mm、ホイールベース:1870mm
■3代目:全長2695×全幅1665×全高1555mm、ホイールベース:1875mm

 全幅を1475mmにして日本の軽自動車枠に合致させたスマートKの時代から考えると現行モデルはかなりワイドになっている(まぁ、それでも充分小さいが)。2代目では三菱iのエンジンを999ccに排気量アップさせた3B21を搭載していた。

 現行フォーフォー(5ドア)はルノーと共同開発し、前述のトゥインゴとプラットフォーム、パワートレーンを共用している。

ルノートゥインゴとプラットフォーム、パワートレーンを共用する現行のフォーフォー。しかし乗った感じの味付けはかなり違い、スマートのほうが硬い

【画像ギャラリー】一度は手に入れたい!!日本のミドシップスポーツ

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