エンジンをフロントに搭載して前輪を駆動するのがFFで、後輪を駆動するのがFRである。FFベース、FRベースにかかわらず前後輪を駆動するのが4WDとなっている。
特殊例としては、エンジンをフロントの車軸よりも後方に搭載するフロントミドシップと呼ばれるものもある。
そのいっぽうで、フロントにエンジンを搭載していないクルマもある。リア車軸前にエンジンを搭載してリアを駆動するMR、リア車軸上またはリアのオーバーハング部にエンジンを搭載するRRと呼ばれるものがある。
RRクルマは360cc時代の軽自動車に採用されていたように小型車には比較的採用されるケースが多かったが、RRの代名詞と言えばポルシェ911で、MRとともにスポーツカー用の駆動方式というイメージが強い。
本企画では、スポーツカーではないがMRレイアウトやRRレイアウトを採用している(した)クルマを集めてみた。日本でスポーツカーではないRRといえばスバルオリジナル時代のサンバー、MRといえばホンダアクティの軽トラ勢が有名だが、ここでは乗用車に絞って見ていくことにする。
文:ベストカーWeb編集部/TOYOTA、HONDA、MITSUBISHI、RENAULT、MERCEDES-BENZ
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三菱i&i-MiEV
販売期間:2006~2015(i)、2009年~(i-MiEV)
三菱は2006年にワンモーションフォルムのエクステリアが斬新なプレミアム軽自動車のiをデビューさせた。iをベースに世界初の量販EVとしてデビューしたのがi-MiEVだ。i-MiEVはエンジンの代わりにモーターを搭載している。
最大の特徴はエンジンをリアミドに搭載していることで、軽自動車として最長の2550mmのホイールベースを実現することで、広い室内スペースを確保することに成功している。
リアにエンジンを搭載しているためラゲッジはほかの軽自動車よりも高い位置にあって使いにくいなどのデメリットもあったが、重いエンジンがリアにあるため、ブレーキング時にノーズダイブが起きにくく、操舵時の駆動干渉もないため、軽自動車とは思えない質感の高い走りを誇ったようにメリットが勝っていた。
今では軽自動車の価格が高くなっているが、当時としてはライバル車よりも価格設定が高めだったのが苦戦した要因と思われる。
2代目ホンダZ
販売期間:1998~2002年
ホンダは当時Jムーバーとしてキャパをデビューさせていたが、Zは軽自動車の新しい価値を創造するKムーバーとしてデビュー。懐かしのZの車名が復活したことで話題になった。
Z最大のトピックはUM-4と呼ばれる革新的プラットフォームを採用したことにある。UM-4はアンダーフロアミドシップ4WDの略で、リアミドに搭載していた。
縦置きエンジン+4WDの組み合わせはスーパースポーツカーと同等だった。
コンパクトカー並みに広い室内、コーナリングパフォーマンス、4WDによる走破性など魅力にあふれていたが、一般ユーザーからはウケなかった。
登場する時代が悪かった、と簡単には結論付けられないが、SUVテイスト、少数派、個性的なデザインなど今の時代に復活させてほしい1台だ。
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