お宝も発見! マニアックなクルマは激安か暴騰か? 変態グルマは今いくら?

■変態グルマ絶滅編/オートザムクレフ

オートザムクレフはクロノス6兄弟の5番目(実は特に順番はない)。6兄弟のなかではスポーティセダンの性格が与えられ、フロントの鼻の穴のようなスモールランプが印象的だった。総生産台数は5258台
オートザムクレフはクロノス6兄弟の5番目(実は特に順番はない)。6兄弟のなかではスポーティセダンの性格が与えられ、フロントの鼻の穴のようなスモールランプが印象的だった。総生産台数は5258台

 では、ここからは「真打ち」の登場である。顔や内装だけをレトロにした小手先の変態クルマではなく、エリオセダンのような謎すぎるモデルでもなく、「クルマ好きにはけっこう刺さるデザインとスペックを有していたのに、不人気ゆえに消えていったモデル」の現在地を探ってみよう。

 まずはオートザムクレフ。「クロノスの悲劇」でおなじみのマツダクロノスの、やたらとたくさんある姉妹車のひとつ。クロノスはマツダ店、アンフィニ店がMS-6、MS-8、ユーノス店がユーノス500、オートラマ店がテルスター、オートザム店がクレフだった。

 FFの場合は2Lおよび2.5LのV6ユニットを積む、なかなか素敵なスポーツセダンではあった。まったく売れなかったが……。

 そんな真打ちマツダクレフの現在の中古車流通台数は……0台! 大手サイトだけでなくインディーズ系のサイトにも掲載なし!

■変態グルマ真打ち編/ランティスクーペ2.0タイプR

1993年9月~1997年12月まで販売されたマツダランティス。写真は170ps/18.3kgmの2L、V6エンジン搭載のランティスクーペ2.0タイプR
1993年9月~1997年12月まで販売されたマツダランティス。写真は170ps/18.3kgmの2L、V6エンジン搭載のランティスクーペ2.0タイプR

マツダランティスの中古車情報はこちら!

 ……ということでクレフの出落ちというか絶滅を見届けたうえで、本当の真打ちへと進もう。マツダランティスクーペの2.0タイプRだ。

 マツダ ランティスは今なおエンスー各位からの評価が高い1993年登場の4ドアクーペ(実際は5ドアハッチバック)とセダン。

 クーペのほうは、お茶の間の人々からは黙殺されたが、いわゆるクルマ好きな人種からはなかなかの高評価を得たものだ。そのタイプRは、2L、V6DOHCを搭載した最上級グレードである。

 で、お茶の間はさておきマニアからは人気だったランティスクーペのタイプRだけに、今やけっこうな高値になっているかと思いきや……平均価格はたったの40.6万円! ていうか全国で3台しか流通しておらず!

 ……ちょっと古いクルマ全般がブームとなった最近までそれなりの数が現存していれば、それをレストアした中古車がけっこうな高値を付けていたはずのランティスではある。

 だが、ブームがやってくる前に「ほぼ絶滅」という状況になってしまったようだ。さぞかし無念であったろう。南無~。

全長4245×全幅1695×全高1355mm、ホイールベースは2605mm。4ドアクーペは1994年から始まったJTCCに参戦したが苦戦。ランティスは合計4万3300台ほど販売された
全長4245×全幅1695×全高1355mm、ホイールベースは2605mm。4ドアクーペは1994年から始まったJTCCに参戦したが苦戦。ランティスは合計4万3300台ほど販売された

■よくぞ残っていた変態グルマ感激編/サニー305 Re NISMO

6代目サニーベースのサニー305 Re NISMO(後期型)
6代目サニーベースのサニー305 Re NISMO(後期型)

ダイレクトイグニションのホームページはこちら!

個性的なテールレンズの形状。走行距離は8万9000km
個性的なテールレンズの形状。走行距離は8万9000km

 では最後に、大トリの「日産サニー305 Re NISMO」について調査してみよう。

 サニー305 Re NISMOは、6代目サニー(B12)3ドアハッチバックのDOHCエンジン搭載グレードである305Reをベースに、専用のNISMOエアロとホイール、シート、ステアリングホイールなどを装着し、足回りにも専用チューンのスポーツサスが組み込まれたホットハッチ。

 いかにも(ごく一部で)人気が出そうなスペックとバックグラウンドを持つサニー305 Re NISMOだが、2021年6月中旬現在の中古車流通量はわずか1台! 

 「10台ぐらいのNISMOが、200万円以上ぐらいの高騰相場を形成している」という状況ではなく、むしろ「ほぼ絶滅」といえる状況にあるようだ。無念。

 だがカーセンサーnetにて1台だけ、北海道札幌市の販売店「ダイレクトイグニッション」がサニー305 Re NISMOを売りに出しているのを発見した。

 しかしそのプライスは「ASK」となっているため、具体的な値段がわからない。こちらの販売店が売っている他の物件の価格から類推すると「……180万円ぐらいか?」と思うのだが、自信はない。

 まぁ机の上で考えても決して正解は出ないため、販売店に聞いてみるほかないということで、電話をかけてみた。

 ――もしもし、ダイレクトイグニッションさんですか? こちらの305 Re NISMOはどこで仕入れたんですか?

 お店の人 それがオートオークションにたまたま出てきたんですよ! 弊社としてもびっくりしました(笑)。

 ――オークションにはたまに出てくるんですかね?

 お店の人 いや~、ウチも変な車を積極的に仕入れている販売店ですが(笑)、そんな弊社の仕入れ担当ですら「現物は初めて見た!」というぐらいの超絶希少状態ですね。

ニスモステアリングにホワイトメーターを装着
ニスモステアリングにホワイトメーターを装着

 ――価格は「ASK」とのことですが、ぶっちゃけ、おいくらぐらいで販売されるご予定ですか?

 お店の人 おおむね〇〇〇万円ぐらいと考えています。

 ――なるほどぉ……そのお値段って、記事に出しちゃっても構いませんか?

 お店の人 いや~すみません、記事の中でもいちおう「価格は応談」としておいてもらえますか? 

 と言いますのは、価格を出しちゃうと「ひやかし」の方がすごく増えちゃうんですよね……すみません。

 でも「本気の人」からお問い合わせをいただけたなら、普通にお値段をお伝えします。なので、もしもこの個体が本当に気になるのであれば、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね……と書いておいてください!

 ――了解です! 突然のお電話にもかかわらずご対応いただき、ありがとうございました!

※   ※   ※   ※   ※   ※

 結局のところ、今回取り上げた車種に関しては「相場が謎の高騰をしている」ということはなく(サニー305 Re NISMO以外)、不人気車は格安不人気車のまま、消えゆく運命の途上にあるようだった。

 だが「超絶レアな人気薄車だからこそ、可愛くてたまらない!」と感じる人もいらっしゃろう。

 そういった人には、これらモデルが本当に絶滅してしまう前に、諸々のアクションを起こしてみることを推奨したい。

【画像ギャラリー】いつか高騰する日を夢見て!? 希少! お宝変態グルマを写真でチェック!!

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