全国的には無名でもご近所ではそこそこ有名……。そんな、今でいう“映えない”んじゃないか?ってなスポットに、稀代のコラムニスト カーツ佐藤が無理矢理スポットライトを当ててまいります……。(第11回)
※本稿は2022年6月のものです
文/カーツ佐藤、写真/Adobestock(メイン写真=takashi@Adobestock)、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年7月26日号
■「ちょい悪オヤジ公園」…か!?
東京の港区に『イタリア公園』という名の公園がある。
港区が管理してる、イタリア政府から寄贈されたトスカーナ・ルネッサンス様式のイタリア式庭園だとさ。
もう港区っつうだけでも、アッパーな感じが漂うってなもんですが、そこにイタリア!!
服はアルマーニだ、メシはイタリアンだ、クルマはイタ車だ、なんていう港区のいわゆる『ちょい悪オヤジ』連中の世界観を体現したような場所かよ!
ア~いけすかない!!
でも待て! 港区のサイトによれば、イタリア製の12体の彫像が設置されているとあり、いわゆるビーナス像っつうか、裸婦像の写真がズラズラ載ってる!
裸婦像12体!! そんな公園、ちょっとエロすぎじゃない?
ってことで行ってみると……、いや~いたいた裸婦彫刻の皆様! なかには服着てる方もいらっしゃいますが、12体中、7体はオッ●イモロ出し!
しかし! 場所は新橋と浜松町の中間の山手線沿いなんだけど、まわりは人っ子ひとり歩いてないようなところで、当然公園にも人はぜんぜんいない!
そんな無人の公園で●ッパイ晒し、思い思いのポージングをされている彫刻の皆様。
正直寒々しいぞ!
ちょい悪オヤジも、普段から「イタリアイタリア!」言ってんなら、見に来てやれよ。
でも考えてみりゃ、スーツはアルマーニだ、メシはイタリア料理だ、クルマはイタ車だとのたまう連中も、「公園はイタリア式だ!」
なんて言ってねぇもんな。
いったい、この公園の存在理由はなんなのか……。
でさ、一応写真撮っておこうと、全彫刻を写真撮ってたら……ワタクシ、恐ろしい事実に気づいてしまいました。
12体の彫像のなかに、なんと一体だけオヤジの彫像が混じっておりました!
それもヒゲ面オヤジ! なんなんだコイツ!?
それも女性だってオッパイ丸出しのなか、自分だけ毛布みたいなので体を覆い隠してる。
彫刻界では、この手のポーズを『恥じらいのポーズ』と呼ぶんですが、全彫刻のなかで、ヒゲオヤジが一番恥じらってやがる!
おまけに顔見りゃ、今は亡き怪優・大辻伺郎が永井豪先生の名作『ハレンチ学園』のドラマ版で演じたヒゲゴジラにソックリなんですよ。
群れ集う裸婦に混じり潜むヒゲゴジラが一体! 『イタリア公園』って、ようするに『ハレンチ学園公園』だったんだなァ……。
●『イタリア公園』東京都港区東新橋1-10-20
●今回の映えない度…★★★(裸婦像11体にやや興奮)
※「映えない度」は最高3つ★
●今回の出費(電車賃)…新丸子~浜松町/東急線、JRで往復740円
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