【知らないと泣きを見る】センターラインと車線境界線の意味

【知らないと泣きを見る】センターラインと車線境界線の意味

 道路における危険を排除し、交通を円滑にするために『道路交通法』(通称道交法)という法律が定められている。時代に合わせて改正が繰り返されていていつの時代もクルマを運転するドライバーはこの道交法を遵守する必要がある。

 この道交法に違反した時は、違反に応じて反則金、罰金、懲役が課せられると同時に、免許証の違反点が加算されるといったペナルティを受けることになる。

 本企画では、大まかな概要は理解していても、正確に理解している人が意外に少ない、道路のセンターライン(中央線)、車線境界線について種類、それらの持つ意味を見ていこう。

 免許を取得して何十年というベテランドライバーでもセンターライン、車線境界線について間違った認識をしているケースもあるので要注意。

 センターライン、車線境界線について知らなかった、勘違いしていたという理由で違反となり、せっかくのゴールド免許をフイにしてしまうケースも多いようなので、しっかりと頭にたたき込んでおこう。

文:永田恵一/写真:池之平昌信、平野学、茂呂幸正、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部


センターラインは基本を抑えておけば難しくない!

 道路のセンターラインは走行方向を区分するための境界線で、キャッツアイが埋め込まれているだけのものから、植え込みなどのある大がかりなものまである中央分離帯もセンターラインと同じ役目を担っている。

 このセンターラインの線種は実線と破線、色は白色と黄色があり、実際に存在するのは白色実線、白色破線、黄色実線の3種類で、黄色の破線というのは存在しない。

 ではどのように区分されて使用されているのか?

 センターラインについて交通規制基準では以下のように規定されている。

■白色破線:道路幅6m未満・はみ出し、追い越し可能
■白色実線:道路幅6m以上・はみ出し禁止
■黄色実線:道路幅6m未満・追い越しのためのはみ出し禁止

白色破線は道路幅が6m未満のセンターラインで使われ、はみ出し、追い越しとも可能。いつでも対向車がはみ出してくる可能性があるので危険も多い
白色実線ははみ出し禁止という制約しかないので一見緩く感じるかもしれないが、原則としていかなる時もはみ出してはいけない厳しいセンターラインなのだ

 線種の使い分けは道路幅6mが境界線となっていて、6m以上の場合が白色実線、6m未満の場合は白色破線、黄色実線という具合に決められている。付則しておくと、例外もあるが白色実線が2車線以上の道路で使われるのに対し、黄色実線は片側1車線の道路となるケースが多いようだ。

 運転していて最も自由度が高いのが白色破線ということがわかる。白色実線と黄色実線の使い分けもわかるが、『はみ出し禁止』と『追い越しのためのはみ出し禁止』というのは非常に紛らわしくわかりづらい。

 白色実線の場合は、道路幅が充分にあるため道路脇に追い越し禁止の補助標識がない区間では、反対車線にはみ出さなければ追い越しは可能。

 それに対し、黄色実線は道路幅が狭いため、はみ出さずに追い越しすることは実質不可能なので追い越し禁止と同じ意味になる。

 ただし、黄色実線の場合、路肩の駐停車車両や路線バスをパスする場合、これは追い越しとは見なされないので、反対車線にはみ出しても問題ない。いっぽう白実線は、はみ出し禁止ゆえ、いかなる時にもはみ出しが禁止されている。

黄色実線は追い越しのためのはみ出しが禁止されている。道路幅が6m未満で使われているので追い越しは実質不可能。駐停車中のクルマなどをパスする時ははみ出してOK

 白色実線のセンターラインの道路で前走車を追い越す時、二輪車、駐停車車両をパスする時に安全マージンを考えて走行した結果、センターラインをはみ出して走行、ということは日常茶飯事に行なわれているかもしれないが、厳密な意味では取り締まりの対象となる。

 視覚的インパクトからも白色実線よりも黄色実線のほうが厳しいようなイメージを抱いているドライバーも多いと思うが、理由に関係なくはみ出しが禁止されている白色実線のほうが厳しい。油断しがちなので要注意だ。

次ページは : 複合パターンも知っていれば怖くない!

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