トヨタの元町工場内にあるGRファクトリーはGRヤリスとGRカローラ、そしてLBXモリゾウRRを生産する。その工場見学会がオーナー向けに始まった。「クルマにはストーリーが必要だ」とモリゾウさんは言うが、この工場にはまさにストーリーがあった!
文:ベストカー編集部 /写真:TOYOTA GAZOO Racing
【画像ギャラリー】ナニゴト!? GRファクトリー工場見学エリアの一部がコチラから!!(6枚)画像ギャラリー1台1台を時間をかけて丁寧に作っていく
GRヤリスとGRカローラ、LBXモリゾウRRを合わせて1日に100台生産するGRファクトリーは特別な生産ラインだ。何が特別かと言えば、効率を追求した大量生産ではなく、変種、変量、新技術に対応できる(1)セル生産と(2)AGV(自動搬送車)を組み合わせたほかにない工程で作られているからだ。
一般的な生産ラインではベルトコンベアや吊り下げ式の大型搬送機を使ってクルマが作られるが、セル生産ではアンダーボディ溶接工程や足回り搭載工程といった生産単位ごとに分け、各セルに作業員が配置される。
作業員は複数の工程を担当することになり、特定の製品や部品の組み立て作業を完結できるのが大きな特徴。そのためにベルトコンベアではなくAGVが使われる。
組み立ての場合、ライン生産のように作業員は同じ工程を繰り返すのではなく、足回りなら足回りの工程に責任を追う形となる。1台を生産するための時間をタクトタイムと呼ぶが、GRファクトリーのそれは約10分。
普通のラインは60~90秒なので圧倒的に長い。逆に言えば時間をかけていくつもの部品を精度高く組み立てる技量が求められると言える。
ばらつきゼロへのこだわりが凄い!
GRファクトリーの一番の見どころはばらつきを極限までなくすためにさまざまな手間をかけている。例えば足回りの部品を組付ける際、設計図通りなら問題ないが、0.1㎜単位でのズレが生じ、それがクルマの当たり、外れとなってしまうことがある。
GRファクトリーではそのことを踏まえ、ボディを3次元測定する。さらに足回りのアーム類の穴も全数測定され、ズレにちょうど合うパーツを組み合わせていく。
またダンパーやキャリパーといった部品も測定され左右バランスをとるというからハンパない。コンピューターで管理されるが、その数は約1万通りにもなり、最適な部品が選ばれるというから凄い!
さらに、通常のラインでは足回りの部品の取り付けは、組み立て作業の中盤に行われることが多いが、GRファクトリーの場合、操縦性や駆動に関わる取付精度がほかの部品からの影響を受けることを避け、最後に組付けられている。
足回り部品の搭載は吊り下げて行われることが多いが、こちらも精度を上げるためにリフトアップしたボディの下に足回り部品を正確にセットし、ボディを上から丁寧に降ろしていくのもGRファクトリーの特徴だ。
コメント
コメントの使い方私も贔屓メーカーの愛車作ってるラインは見学したくて仕方ないので、正直これは羨ましい。
抽選とか人数限定じゃなく希望すれば見られて、しかも無料とか、大盤振る舞いすぎだなぁ。