2017年に錆で覆われた衝撃的な30プリウスが登場したのを覚えているだろうか。福島県のラッピング業者が仕込んだ1台だったが、その後も現行プリウスで錆を見せてくれたが今度はなんとアルファード!! しかもテーマは「寂び」だ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOMOHITO SHIMAZAKI
■「錆」から「侘び寂び」へ進化
2017年に突如として登場したサビだらけのプリウス。「錆びるわけがない」というツッコミも多かったが、そもそも狙ったのはハイブリッドカーが荒廃して荒れ果てた姿とのギャップ。日本のみならず世界からも注目を集めた。
2023年に現行型プリウスでも錆の雄姿を見せてくれたが今度はなんと新型アルファード!! しかも今回は「サビ」でも「侘び寂び」の「さび」だ。一連の「さびカー」を作っているのが福島県のラッピングショップ「カラップ」。
実はこのカラップはただ者じゃなく、フィルムのデザインから出力までオーナーの服部純也さんがこなしてしまうショップだ。今回はなぜ浮世絵で挑戦したのだろうか?
「昔から浮世絵が好きで特に江戸パンクとも言える歌川国芳の作品が大好きで、一度浮世絵、それもその国芳の『相馬の古内裏』でのフルラッピングをやりたかったんです。でも印刷に耐える大きなデータもなく、またそれを活かせるボディの大きな車もなく諦めていた所、今回のアルファードの納車が決まりました(笑)」。
服部さんの「美しく面白いものを作りたい」という野望はとどまることを知らない。なんとボディ左右で別作品を展開することに。助手席側は前出の『相馬の古内裏』、そして運転席側は歌川国芳が一番影響を受けた葛飾北斎の『富嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」を絡めたデザインにしたという。
■ふたつの異なる作品をクロスさせる苦悩
こうなると難しいのが左右2作品をクロスさせることだろう。正面と背面で両作品をクロスすることに成功した。うーん、これはセンスの成せる業だ。これだけのラッピングだとどれくらいの制作期間だったのだろう。
「制作日数はデータ作成の方が多くの時間を費やしました。出力からラッピングは前回のプリウス同様ほぼ2日で完了。データは渾身の(イラレ)ベクターデータで間近で見ていただいてもとても綺麗です。貼り込みの方はあまり複雑な形状ではないミニバンのスクエアな形に助けられました」。
データ作成が時間がかかるとは意外だが、ミニバンに貼ることは複雑な曲面構成のGTマシンのラッピングも手掛ける手練れの服部さんからすれば朝飯前だろう。
ラッピングの要素として浮世絵を選択することにもしかすると海外ウケも考えたのかもしれない。服部さんの思いはラッピングをもっと身近に感じてほしい、そして斬新なデザインでクルマの楽しさを伝えることに主眼を置いている。
今回の「侘び寂び」の浮世絵仕様アルファードは日本のみならず世界から注目を集めそうだ。
【画像ギャラリー】アルファードに浮世絵が合う!! 外国からのウケも最高な1台に刮目せよ(17枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方なんてキレイなの? 芸術作品ですね!
自分で乗るのは厳しいけど是非見てみたい!
絵柄の分かる近い写真を見ると、これは芸術だ!と拍手したくなりますね。
遠目で見ると、近年のはデザイン凝ってるせいか印象は痛車と同じなので、小路に合うかと言われると・・。